2008年02月25日

●ビートルズはドラッグの伝導者?(EJ第400号)

 今日から「ビートルズの少し怖い話」というタイトルでロックの話をします。なお、
このレポートは、2000年6月14日から19日まで、6月26日から29日までの
8回にわたって記述したものであることをお断りしておきます。
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 今日のテーマはビートルズです。これを皮切りに断続的ではありますが、ロックの話
をしようと思います。これは少しというかかなり怖い話になると思います。
 さて、みなさんは、ロックの元祖的存在は誰だとお思いになりますか。実は、ロック
の起源については諸説があり、はっきりしていないのです。
 ロック音楽が音楽市場で日の目を見たのは1950年代とされており、この説が正し
いとすると、その元祖は、エルヴィス・プレスリーということになります。そうです。
あのロックン・ロールがロックの元祖的存在なのです。
 プレスリーの名前を世界的に広めたのは、当時の米国の超人気番組「エド・サリバン
・ショー」への出演なのです。プレスリー以前のロックは、ジャズ、黒人霊歌、カント
リー・ウェスタン、リズム・アンド・ブルースなど既成の音楽の混合物のようなもので
あり、典型的な演奏スタイルというものはなかったのです。
 エルヴィス・プレスリー、ビル・ヘイリーによって火のついたロックン・ロールは、
その後、リトル・リチャード、ビル・ハーレ、チャック・ベリーという強烈なロックン
・ローラーを生むことになります。
 そして、1963年になると、英国でビートルズが登場し、その後すぐにローリング
・ストーンが現れます。この両者は、ロックの2大バンドとして君臨します。そして、
やがてアニマルズが頭角を現して三番手につけるのです。
 さて、本来「ロック」という言葉は「ロックン・ロール」を略した言葉なのですが、
ビートルズにより代表されるロックとプレスリーによって代表されるロックン・ロール
とは、次第に音楽的に内容が変化して行ったのです。
 ごく大まかにいってしまうと、ロックン・ロールはビートルズが登場する1964年
以前のものであり、ロックはビートルズ以降のものを指すことになります。
 そして、ロックは、次のようなさまざまな音楽形式を持つ音楽として確立していくこ
とになるのです。
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       1.ハード・ロック  7.クラシカル・ハード・ロック
       2.ヘビーメタル   8.スラッシュ・メタル
       3.パンク・ロック  9.スピード・メタル
       4.デス・ロック  10.ブラック・メタル
       5.神秘ロック   11.グランジ・ロック
       6.デス・メタル
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 ロックの元祖ビートルズも、1964年2月にエド・サリバン・ショーに出演したの
ですが、日曜夜のゴールデン・アワーの時間帯で94%という驚異的な視聴率を獲得し
たのです。世界は、これをキッカケにして、空前絶後のビートルズ・ブームに突入して
いくのです。
 この時代の米国は社会的混迷期に当り、ケネディ大統領、キング牧師の暗殺事件をは
じめ、それにベトナム戦争の泥沼化が加わり従来の価値観を崩壊させる泥沼の時代にな
っていったのです。
 そして、ベトナム敗退、経済不況、失業者の増大と続くなかでその時代を担っていた
のは、ヒッピーを中心とした若者でしたが彼らは、マリファナ、LSD、麻薬などと結
びつき、サイケデリック革命なども起こったのです。
 そういう若者のあいだに芽生えた感覚主義は、実存主義、コミューン思想、社会主義
神秘主義などに受け継がれ、その中でとくに神秘主義は根強く浸透していくことになり
ます。心霊術、超能力、超心理学、東洋神秘思想、宇宙との交信術、占星術、魔術古代
宗教など多岐にわたり、それがひとつの宗教のようなかたちになっていったのです。ビ
ートルズが登場したのは、そうした時代の変動期のはじまりであり、“毒”を含んだ新
しい時代の幕開けだったのです。
 こうした時代を背景として、ロック・ミュージックは、自らのアイデンティティを求
めて強烈な自己主張を行い、それは精神の広がりもたらすドラック(幻覚剤)と結びつ
いていくのです。
 ロック・フェスティバルというと、一見宗教的なシンボルやコスチューム、荒々しく
陶酔を誘う強いビートと旋律、ドラックの使用、狂乱的なダンスがつきもの・・。これ
は、参加者にひとときの精神の解放、浄化作用をもたらす効果があったといえます。
 興味のある話があります。プロテスタントのある宣教師は、クリスチャンに改宗した
原住民たちにロックを聞かせてみたところ「これは悪霊を呼び出す音楽である」といっ
たといいます。彼らは、以前、自分たちが暗闇の悪魔的霊界と接触するときに使ったサ
イキックな刺激と同じものをロック・ミュージックの中に感じ取ったというのです。
 さて、1960年代後半のドラックといえばLSDです。これを世界中の若者たちに
奨励し、それを浸透させる推進力になったのはビートルズであるという説があります。
 「そんな、馬鹿な!」という人がいるかも知れませんが、ビートルズの曲の歌詞をて
いねいに読むと、それを否定できなくなります。ほとんどの人は、歌詞なんて聞いてい
ないし、注目していないと思います。今日は、予告編になってしまいました。
・・・「ビートルズの少し怖い話/01」

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2008年02月26日

●トゥモロー・ネバー・ノウズ(EJ第401号)

 ロックの話をはじめています。その1回目の昨日、ビートルズはLSDの奨励をして
いると書きました。ビートルズはある意味ではドラッグ文化の予言者であり、ドラッグ
賛美のアーティストなのです。それは、ビートルズの曲の歌詞に色濃くあらわれていま
す。例をあげてみましょう。
 ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」という曲を知っていますか。
 この歌の前半には、次のような歌詞があります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      「肩の力を抜いて無心になり、気持ちを鎮めてごらん
      それは死ではない それは死ではない
      何も考えず 虚無に身をまかせてごらん それは輝いている
      内なるものも意味がおのずと見えてくるかも知れない
      それは確かな存在 確かな存在」
                (「ビートルズ全詩集」内田久美子訳)
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 この曲は、LSDの感覚的な世界を歌ったもので、巧妙に精神世界を歌っているよう
に作られていますが、実はドラッグを啓蒙した曲なのです。
 この曲の歌詞は、ティモシー・リアリー著の『チベットの死者の書』から取られてい
ます。この本は、LSDを服用することによって精神的に啓蒙されることを説いたハン
ドブックなのです。
 この本の著者であるティモシー・リアリーは、LSDなどのドラッグを精神拡張の物
質として信奉しており、これによってバッドトリップしないためには、ここを暗唱しな
さいと説いている部分が本の中にあるのですが、その部分が「トゥモロー・ネバー・ノ
ウズ」の歌詞として使われているのです。ですから、明らかにこの歌は、ドラッグを奨
励している歌であるといってよいと思います。
 この本には、なぜドラッグを使うのかが書かれています。それは、物質第一の世の中
から超越した価値観を得ることであるというのです。つまり、時間というものが機械的
にどんどん経過していくという物理的な考え方から逃れ、西欧的なゲーム、すなわちお
金というものの不遜さからも逃れ、安定的な精神的領域を得たいという価値観です。
 ジョン・レノンは、自らが追い求めていた超越の幸福感をこの曲で音色に出すことに
成功しています。そこにいたるまで、彼がどれだけドラッグによってバッドトリップを
経験したか、それは誰にも分かりませんが、彼がドラッグの常習者であったことは、明
らかなのです。
 この歌は、音的な色とイメージをコラージュするために非常に手のこんだことをして
います。それは、テープを操作することでギター・ソロを逆回転させているのです。こ
れは、時間の流れを逆回転させて、ただよう流れの中にいる自分を表現しているのだそ
うです。そしてジョンの歌い方は感情を排して、原始的なサウンドを目指しています。
 それは、超越の境地に聴き手を導こうとしているように思われます。ドラッグ体験者
でないとわかりませんが、この超越の境地は、ドラッグ服用初期の曖昧模糊とした恍惚
感をあらわしていると思われます。そして、もうひとつの現実として、ジョンは次のよ
うな世界を歌っているのです。
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      「愛こそすべて、愛こそすべての人々
      それが目覚め、目覚め
      無知と憎しみが死者をいたむこともある
      それが信ずること、信じること
      でも、夢の色に耳をすましてごらん
      それは生きることじゃない、生きることじゃない
      それともゲームの本質を最後までとことんプレイしてごらん
      何かがはじまる最後まで
      はじまりの最後まで」
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 とにかく一風変わった曲なのですが、一度聴いて見ていただきたいと思います。現在
ビートルズの曲は、全曲CD化されており、CDショップで求めることができます。
 さて、ビートルズはそうではありませんが、一般的にロックというと、その衣装・風
体は実に異常であり異様です。これは何に通じるかというと、サタン、つまりサタニズ
ムに通じるのです。そして、このサタニズムとドラッグは、昔から密接に結びついてい
るのです。
 マヤ文明では、ペヨーテなどの幻覚剤を使って、生け贄を捧げる宗教的儀式を行って
いたのです。また、古代の神官たちは、ドクニンジン、ヒヨス、アヘン、ベラドンナな
どの麻薬の恍惚感のうちに霊との交信を行って“神託”を述べ、ときとして身体を傷つ
けたりしています。
 ロックのコンサートは、この神官の儀式に非常に似ているところがあるのです。です
から、これとドラッグが結びつき、そこに悪霊が入り込んできても少しも不思議はない
のです。
 聖書には「魔術」ということばがよく出てきます。これは原典のギリシャ語では「フ
ェルマキア」英語の「ファーマシイ」「薬局」の語源はこれなのです。つまり「魔術」
とはドラッグを意味し、魔術とドラッグは同意語であり、つねに表裏一体の関係にある
のです。ですから、ロックがドラッグと結びつき、それがサタニズムと関連を深めても
何ら不思議はないのです。
 今朝は、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の解説みたいになってしまいましたが、こ
れなどは序の口に過ぎません。ビートルズの名曲といわれる、ポール・マッカートニの
「ヘイ、ジュード」も、ドラッグに関係があるといわれているのです。これは、ポール
とジョンの2人で歌われています。明日は、「ヘイ、ジュード」を取り上げることにし
ます。                 ・・・[ビートルズの少し怖い話/02]
           
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2008年02月27日

●『ヘイ、ジュード』の謎を解く(EJ第402号)

 昔の話ですが、私のチームにジャニスというハワイ大学出身の女性スタッフがおりま
ました。日系の米国人ですが、カラオケに行くと必ず歌ったのが「ヘイ、ジュード」だ
ったのです。私は、それまでビートルズにはあまり関心がなかったのですが、そのジャ
ニスの「ヘイ、ジュード」がキッカケになり、ビートルズを聴くようになりました。
 ちなみに、このジャニスは中高年のオジサンに人気があって、彼女がハワイに帰るさ
いオジサン主催の送別会を開いたことを今でも懐かしく思い出します。
 さて、改めていうまでもなく、「ヘイ、ジュード」はポール・マッカートニーの作品
であり、1966年のシングル・レコードのナンバー・ワンとなった大ヒット曲です。
 この曲にはいくつかの謎があります。昨日お話しした「トゥモロー・ネヴァー・ノウ
ズ」はドラッグを賞賛していることは確かなのですが「ヘイ、ジュード」については
どちらともいえないとする評論家が多いようです。
 まず、「ジュード」とは何でしょうか。
 「ジュード」とは英語読みですが、ラテン語に直すと「ユダ」になります。ウィルソ
ン・ブライアン・キイ教授の著書『メディア・レイプ』によるとこの歌の「ジュード」
は間違いなくキリストを裏切ったあのユダであるといっています。この件については、
同教授の専門である「サブリミナル理論」とともに号を改めて取り上げる予定です。
 つまり、ここでいう「ジュード」とは、中毒になるまでは友達のフリをし、中毒者に
なってから初めて裏切られたことがわかるヘロイン(ドラッグ)を象徴していると主張
する研究家がいるのです。何はともあれ、歌詞を見ていきましょう。
 この歌の前半の歌詞は次のようになっています。
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      「ジュード!そんなにくよくよするなよ
      悲しい歌でも気分ひとつで明るくもなるさ
      あの娘をきみの心の中に受け入れるんだ
      そうすれば、また楽しい日々がやってくる

      ジュード!尻ごみしていちゃダメさ
      あの娘を手に入れられるのはきみだけだぜ
      あの娘をその腕で抱きしめるだけでいい
      その瞬間から、きみの世界は明るくなる」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 これだけを見ると、何かで落ち込んでいる男を親友が励ましている歌にとれます。ビ
ートルズの評論家によると、この曲はジョン・レノンが前妻シンシアと離婚が決まった
頃の作品であり、時期的にポールがジョンを励ますための歌ととることができます。
 そうすると、ジュードはジョンのことであり、歌の中で歌われている「娘」とは、オ
ノ・ヨーコのことになります。しかし、そうとらないで、ここでいう「娘」はヘロイン
のことであると主張する研究家がいるのです。確かに、そのことを頭において歌詞を読
んで見ると、そのようにも取れるのです。
 歌詞の「あの娘をその腕で抱きしめるだけでいい」という部分は、次の英語になって
いますが、何となく注射器を肌に刺すというという雰囲気があります。
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       The minute you let her under your skin.
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 とくにこの歌の後半部分には、意味のとりにくい次のフレーズが出てくるのです。
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       A.So let out and let it in.
       B.You are waiting for someone to perform with.
       C.The movement you need is on your shoulder.
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 Aについては、「それを外に出して、それを中に入れる」という意味もドラッグを連
想させるといえるし、Bは「君は相手役を探しているのさ」と訳してありますが、「パ
フォーム」は麻薬の「トリップ」と同意義という説もあります。そうすると、「一緒に
パフォームしてくれる人を待っている」というぜんぜん違う意味になってしまいます。
 何よりも意味不明なのはCです。訳では、「君に必要な行動はきみの肩にかかってい
る」となっているのですが、かなり苦しい訳であるといってよいと思います。
 実は、このCのフレーズについては、ポールの著書に次の記述があるので、ご紹介し
ましょう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      『ジョンとヨーコに(「ヘイ、ジュード」を)聞かせたのを覚
      えている。で、ぼくは「この歌詞はいずれちゃんとするつもり
      だけどね」っていったんだ。「The movement you need is on
      your shoulder.」(「君に必要な行動はきみの肩にかかってい
      る」)というところがあって、ジョンは「そこ最高だよ!」っ
      ていうんだ。で、ぼくは「おかしいよ、ぜんぜん意味が通じな
      いもの」っていったんだ。そしたら彼は「そんなことない。通
      じるよ。最高だ」ってね』。(ポール・マッカートニー著『ポ
      ール・マッカートニー/ヒズ・オウン・ワーズ』P23)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ポール本人が書いているのですから、これが本当だとは思いますが、これは「注射を
刺す場所(肩)」のことをいっているという説があるのです。いまこのようにいうと、
いかにも異様ですがビートルズにまつわるいろいろな話を総合すると、いちがいに否定
できなくなってしまうのです。
 EJの読者の中には語学の達人が多くおられるのですが、どのように訳されますか。   
                    ・・・[ビートルズの少し怖い話/03]

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2008年02月28日

●ロック音楽は何を狙っているか(EJ第403号)

 私は、CDショップにはかなり足しげく行く方です。そのたびに感ずることは、ロッ
ク音楽のCDの多さです。とくにHMVに行くとそれを感じます。何しろ全体のスペー
スの3分の2はロック音楽のCDで占められているからです。まるで、音楽がロックに
占領されてしまうような感じさえします。
 さて、前回は、ビートルズの「ヘイ、ジュード」とLSDの関わりについて述べまし
たが、ビートルズには、もうひとつLSDとはっきりと関わっている曲があります。そ
れは、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」という曲です。
 この曲は、LSDを服用して、幻覚のうちにジョンが作曲したものとされています。
「イエロー・サブマリン」が大人も歌える子供の歌であるのに対し、この歌は子供のこ
とを歌った大人の歌であるといえます。とにかくこの歌は、題名それ自体の中にLSD
という文字が隠されているのです。
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          ・      ・    ・
          LUCY IN THE SKY WITH DIAMOND
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 ビートルズでは、全員がドラッグを使っていたそうですが、とくにジョン・レノンが
多く使っており、生き延びるために不可欠だったとの証言もあります。このように、1
960年代後半、ドラッグはビートルズが先導役となって、ロックの世界に浸透し、ヒ
ッピー運動とともに若者の間に広がっていったのです。
 ここで、EJがいまなぜロックの話を取り上げているのかについて少しお話ししてお
く必要があると思います。途中から、EJをお読みになっている方には何のことやら、
さっぱり分からないと思うからです。
 EJでは、今年の2月頃に、あのノストラダムスの預言のフォローをやったことがあ
ります。恐怖の大王が降ってくるはずの、1999年7月が何事もなく過ぎて、現在で
は、あの預言は結局的中しなかったとされているのですが、実はそうではなく、別の意
味で的中していて、世の中は文字通りの破局に向かって目下進行中であるということを
明らかにしました。実は、その進行中の重要な仕掛けの中にロック音楽が組み込まれて
いるのです。いずれも、若者を対象としたもので、ひとつはゲームマシン、そしてもう
ひとつがロック音楽というわけです。
 事実について述べましょう。ノストラダムスのいう1999年7月のことですが、7
月23日から3日間にわたって、ニューヨーク郊外のウッドストックで、ロック・フェ
スティバルが行われているのです。このウッドストックは、あのロックフェラーの所有
地であるとのことです。
 大会のタイトルは、「ウッドストック99/ワン・ワールド」というのです。注目す
べきは、この「ONE WORLD」 ということばです。これは「世界政府」という意味で
あり、場所がフリーメイソンにゆかりのロックフェラーの所有地であるところから、こ
の「ONE WORLD」は、 フリーメイソンの目標である「世界政府の設立」という意味
にとれるのです。
 ウッドストック・フェスティバルといえば、30年前にも同じ場所で行われているの
です。これは、ロック史上に燦然と輝くコンサートとなり、自由と解放という名のもと
に、ロック界にサタニズム(悪魔主義)が定着したイベントになったといわれているの
です。この大会では、ドラッグがハード・ロックのリズムの中で謳歌され、3日3晩、
40万人の人々がこの饗宴に参加したといわれています。
 この7月23日から3日間行われた「ウッドストック99/ワン・ワールド」を皮切
りに、この種のロック・フェスティバルは世界中で行われることになっており、もちろ
ん日本でもそれは行われています。1999年8月7日〜8日の2日間、富士急ハイラ
ンドで開催された「フジ・ロック・フェスティバル99」がそれです。このときは、米
国からゲストとして、マリリン・マンソンが出演しているのです。このマリリン・マン
ソンについても号を改めて取り上げる必要があります。
 こういうロック・フェスティバルでは、何が行われているのでしょうか。それは、と
ても音楽のコンサートとは思えないほど異常なものです。
 ロックは、心臓の鼓動の持つ自然なリズムと全く逆のリズムをとるため、聴く者の内
蔵を打ち、繰り返しの反復によって脳にそれが叩き込まれるのです。
 人間が苦痛を感ずる音量は約100デジベルからであるといわれます。ロックコンサ
ートにおけるエレキギターの音は約190デジベルもあるので、苦痛に感ずるほどうる
さい音なのです。
 絶えず激しく律動するビートは、高いボリュームで長時間続けられると、いつしか催
眠術的な効果が生じてきます。どうしてかというと、神経組織が高音で繰り返し襲われ
るので、通常の聴覚がマヒしてしまうからです。そうすると超越瞑想のようになって、
音楽が醸し出すイメージと歌詞のメッセージに対する深い被暗示性が生まれてくるの
です。
 こういう状態になると、音楽という催眠術がかかりやすくなるので、それによって人
を操ることは簡単にできます。ビートはただの騒音ではなく、精神を虜にするリズムと
なり、観客は心身ともに魅了し、ロボットになるまでそのリズムで操作することができ
るのです。
 この状態になると、人々は音楽の持つメッセージとイメージをまともに受け入れてし
まいます。その場に、目もくらむようなレーザー光線やスクリーンに映し出されるデモ
ーニッシュな映像があれば、乾いた土が水をまたたく間に吸収するように心の中にしみ
込んでしまうのです。
 ここにサタニズムが入り込んでくるのです。ロック・ミュージシャンのあの異様な服
装や行動は、こういうことと無関係ではありません。ロック・グループの中には、公然
とサタン礼拝を打ち出しているものもあるのです。
・・・[ビートルズの少し怖い話/04]
           
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2008年02月29日

●再びヘイ・ジュードについて(EJ第408号)

 EJ402号について何本かご意見が寄せられています。402号では、ビートルズ
の「ヘイ・ジュード」についてお話ししたのですが、さすがビートルズについてはファ
ンが多く、EJ402号で示した解釈について異論が出たのです。
 ご指摘の内容は、そもそも「ヘイ・ジュード」という曲は、ジョン・レノンと彼の前
妻であるシンシアとの間に生まれたジュリアン・レノンを励ますためにポール・マッカ
ートニーが作った曲ではないかというものです。「ジュード」という名前は、ジュリア
ンのことであるというのです。
 ティム・ライリー著/岡山徹訳『ビートルズ全曲解説』によると、次のように書いて
あります。
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      『もともとこの曲は、ジョンとシンシアの間に生まれたジュリ
      アン・レノンをある日、ポールが車で家に送るときに、彼をは    
げますために即興でつくった歌だった。ジョン夫妻は離婚が決
      まり、急に宙ぶらりんになった子供にたいして、ポールの思い
      やりは向けられている。歌詞が完成しないままで、彼はこの歌
      をもち込んでジョンに聞かせている』。(ティム・ライリー著
      /岡山徹訳『ビートルズ全曲解説』P282)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 この本の著者であるティム・ライリーは、1960年に生まれたピアニストであり作
曲家ですが、現在はボストンのFM局WBURで音楽の解説者として活躍中です。
 とくに、その著書『ビートルズ全曲解説』は419ページに及ぶ大著であり、ひとつ
ずつの曲の解説は実に懇切であり、その曲が誕生するいきさつについても詳細です。と
くに「ヘイ・ジュード」については、5ページ半を割いて詳しく解説しています。
 ですから、「ヘイ・ジュード」の生まれたいきさつも本当のことだと思います。しか
し、歌詞の内容は子供のジュリアンを励ます内容とは考えられないのです。
 しかし、ビートルズ評論家の説とはぜんぜん別の角度からこの曲を取り上げているの
は、ウィルソン・ブライアン・キイという教授なのです。キイ教授はサブリミナル(潜
在意識)研究の第一人者であり、次の2つの本で独特のサブリミナルの研究成果を発表
しているのです。題名が強烈なのでご存知の方もおられるのではないかと思います。
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       『メディア・セックス』
        ・W・B・キイ著、植島啓司訳 リブロボート刊
       『メディア・レイプ』
        ・W・B・キイ著、鈴木晶・入江良平訳 リブロボート刊
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 キイ教授は、『メディア・セックス』において、「サブリミナル・ロック」という章
を設けて、ポピュラー音楽に仕掛けられているサブリミナル・テクニックについて解説
しています。サブリミナル・メッセージは、比較的に単純な歌詞や音楽上のイリュージ
ョンの中に隠されているとしています。
 キイ教授は、ビートルズについては、本来の歌詞の裏に別の意味が隠されているとし
て、次のように述べているのです。EJ402号で私が述べた説は、このキイ教授の説
なのです。質問もありましたので、少し長くなりますが、本から引用します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      『「レボルーション」は政治を題材により、ジョン・レノンに
      よって歌われた。――彼はビートルズの中で象徴的な父親の役
      割を演じていた。そして、母親役がポール・マッカートニーで
      「ヘイ・ジュード」を歌い、苦悩からの逃避をドラッグという
      形で示し、スピリチュアルな支えとなった。
      「ジュード」の2つの意味が、やはり象徴的に隠されている。
      つまり、ジュードは、見せかけの友情のもとで、キリストを裏
      切ったユダを指示しているのだ。たしかにヘロインは、後に使
      用者を裏切って中毒にさせるまでは友達と思えるものである。
      第二の可能性は、道徳的に乱れた社会で偽善的に生きるキリス
      ト教徒たちに警告を発した使徒ジュードである。マッカートニ
      ーの心を惹く声は「彼女をきみの心の中に入れなさい」と歌う
      が「彼女」とはドラッグを意味し、「心」とはドラッグを血液
      中に循環させるポンプを指している――そうすれば、「きみは
      もっとうまくやれるだろう」』。(『メディア・セックス』W
      ・B・キイ著、植島啓司訳 P198、リブロボート刊)
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 この歌をポールがジョンに聞かせたとき、ジョンは「あ、これはぼくのことだろ」と
いったという記録があります。ポールはそれに対して「いやあ、ぼく自身のことだよ」
といったそうです。しかし、歌詞から判断すればこれはジョンを指していると考えられ
ます。
 ジョンがヨーコにのめり込み、シンシアと離婚した時期に、ちょうどポールも長年付
き合っていた恋人で女優のジェーン・アッシャーと別れているのです。したがって、ポ
ールは「ぼくのことさ」と反論するのもわかるのですが・・・。
 さて、「ジュード」は英語読みですが、これをラテン語読みにすると「ユダ」になる
ことは事実です。しかし、いくらなんでもこれはキイ教授の深読み過ぎでしょう。キイ
教授のいいたいことは、ビートルズは、世界中のティーンエイジャーたちの間に幻覚を
引き起こすドラッグを広めたということです。つまり、ドラッグの使用をポピュラーソ
ングを通じて大衆に訴えるというということをやったのは、ビートルズをもってはじめ
とするとキイ教授はいうのです。
 ついでながら、キイ教授は、ポール・サイモンとアート・ガーファンクルの名作「明
日にかける橋」についても、そういうサブリミナル・テクニックが使われているといっ
ていますが、これについては、号を改めて取り上げることにします。
                    ・・・[ビートルズの少し怖い話/05]

29W・B・Key.jpg
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2008年03月03日

●バックワード・マスキングとは何か(EJ第409号)

 アイレスター・クロウリーという人をご存知でしょうか。クロウリーは、19世紀末
から今世紀にかけて活躍した高名な黒魔術師です。彼は、魔術的秘密結社「黄金の夜明
け」団の後継者に選出されたのですが、そこから離反し、独自に「銀の星」という結社
を作って、ありとあらゆる邪悪な黒ミサや黒魔術を行ったとされています。
 作家のサマセット・モームは、クロウリーをモデルにした小説『魔術師』の中で彼の
ことを次のように記述しています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      『ウソつきで、みっともないほど大言壮語する男だったが、奇
      妙なのは、そのように豪語していたことを本当にやってのける
      こともあった、という点である』。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 クロウリーは、多くの魔術書を書き残しており、現在の黒魔術に大きな影響を与えて
います。これらの魔術書の中に「バックワード」(ことばの逆回し)ということが書い
てあるのです。
 クロウリーはひとびとに逆法則の実践を勧めたのです。反対に歩き、話し、考え、読
むことを教育と称して盛んにやらせたのです。そして、未来を見るためには、レコード
を逆回転させて聞くよう勧めています。なぜ、そんな馬鹿なことをするのかといわずに
しばらく読んでいただきたいのです。クロウリーは魔術書に次のように書いています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       ・もし悪魔の力を欲しければバックワードを聞け!
       ・その者にバックワードの書き方を学ばせよ!
       ・フォノグラフ、レコードを逆回転で聞かせよ!
       ・その者に逆さまに話すことを実践させよ!
       ・その者に逆さまに読むことを実践させよ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 実はロック・ミュージシャンたちは、このクロウリーの魔術書の影響を受けて実践し
ている者が多いのです。マイケル・ジャクソンなどもそれに影響されて、舞台上で若者
に後歩きして歩くよう勧めています。中でもそれを最も熱心にやっていたのが、あのビ
ートルズなのです。
 そんな馬鹿なというなかれ、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ
・バンド」のアルバムのジャケットの裏表紙にはわざわざクロウリーの顔を出している
ほどなのです。このアルバムには多くの人が写っているのですが、左上から2番目にク
ロウリーの顔が出ています。ビートルズの中でも、とくにジョン・レノンはクロウリー
の魔術とオカルトに魅かれ、本棚にはその著書をずらりと並べていたほどであるといい
ます。
 さて、バックワードの話に戻りましょう。これは正確にいうとバックワード・マスキ
ングというのです。これをサブリミナル・テクニックとして、ビートルズはレコードの
宣伝・広告に活用しています。それが、当時全世界のビートルズ・ファンに衝撃を与え
たポール・マッカートニー死亡説なのです。
 「ポールが死んだらしい」という噂が全世界に広まったことがあります。確かに、当
時ポールは人前に姿を現していなかったので、新聞もポールの生死を問う見出しを掲げ
たものです。
 「マジカル・ミステリー・ツァー」というEPに収録されている「ストロベリー・フ
ィールズ・フォー・エバー」という曲の最後の部分に聞き取りにくい部分があります。
何といっているか分からないのですが、注意深く再生して見ると「俺はポールを埋葬し
た」とつぶやいているのです。
 1969年に出た「アビー・ロード」とLPのジャケットは少し変わっています。そ
こには、イギリスのアビー・ロードの横断歩道を歩いているビートルズの4人の写真が
写っているのですがなぜか、ポール・マッカートニーだけが裸足なのです。
 バックの風景の左側にフォルクスワーゲンが写っています。そのナンバープレートを
よく見ると、「28IF」とあります。ナンバープレートまでは読み取れないと思いま
すが、添付ファイルにジャケットの写真をつけておきます。
 このナンバープレート「28IF」は「もし、ポールが生きていれば28歳だった」
という意味なのです。さらに、この「アビーロード」の曲の中には、意味不明の音が入
っているのですがこの部分を逆回ししてみると、次のような地の底から響いてくるよう
な弱々しい声が聞こえてくるのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      「Let me out、Let me out、Let me out…」
      「出してくれ!出してくれ!出してくれ!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
と墓の底から叫んでいるような声が聞こえるのです。
 また、「ホワイト・アルバム」のアルバムに入っている「レボリューションNo.9」で
は、 えんえんと「ナンバーナイン、ナンバーナイン・・・・」という気味のわるい声
で繰り返している部分があります。実は、ここにバックワード・マスキングが使われて
いるのです。
 この部分を逆回転して聞いてみると、地の底から噴き出すような声で次のようにいっ
ているのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      Turn me on,dead man,turn me on,dead man…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 これは「死人を生き返らせてくれ!」といっているのです。また、同じ「ホワイト・
アルバム」の中の「アイム・ソー・タイアード」の中にも同じような部分があるのです
が、省略します。
 これは、噂が噂を呼んで、大変な話題となり、ビートルズのアルバムはめちゃくちゃ
に売れたのです。問題は、これがアルバムを売るためのテクニックではなく、自分たち
が予言者であることを誇示していることです。実際に、ビートルズは当時のサタニスト
やオカルティストに一目置かれていたことは事実なのです。
                   ・・・[ビートルズの少し怖い話題/06]

3・3ABBEY ROAD.jpg
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2008年03月04日

●ロックに潜むサブリミナル(EJ第410号)

 このところ「サブリミナル」の話をしていますが、そもそもサブリミナルとは、意識
と潜在意識の境界線の領域を意味するのです。たとえば、夜寝るとき私たちはいつ眠っ
たか覚えていませんね。そのあいまいな境界線を「識閾(しきいき)」と呼び、サブリ
ミナルとは、その「識閾下」のことをいうのです。
 サブリミナルというと必ず出てくる有名な話があります。米国のニュージャージー州
の映画館の話です。その映画館ではそのとき「ピクニック」という映画を上映していま
した。あのウイリアム・ホールデンが主演をした名画です。
 映画は1秒間に24コマ動くのですが、5秒ごとに、「ポップコーンを食べよう」と
「コカコーラを飲もう」という文字のスライドをはさんでこの映画を見せたのです。も
ちろんこれらの文字のスライドは人間の目には見えず、ただ「ピクニック」のシーンが
展開されていくだけなのですが、無意識下ではそのスライドを読み取っているのです。
 この映画は6週間上映され、45000人の観客が見たのだそうですが、その間ポッ
プコーンが58%、コカコーラが18%の売上増になったというのです。映画の間中無
意識下に「ポップコーンを食べよう」と「コカコーラを飲もう」と働きかけられた結果
本当にポップコーンを食べ、コカコーラを飲みたくなった人が大勢いるということにな
ります。
 これは視覚によるサブリミナル効果ですが、いまEJで問題にしているのは、聴覚に
よるサブリミナルです。聴覚のサブリミナル技術のことを、「サイコ・アコースティッ
ク」といいます。
 ホラー映画というのはかなりどぎつい細工をしているといわれます。映画「エクソシ
スト」では、殺される豚の叫び声を音楽に挿入し、そのサブリミナル技術によって人々
を恐怖に陥れているといわれます。ホラー映画を音声を消して映像だけで見てごらんな
さい。ぜんぜん怖くないのです。音がいかに人々を恐怖に陥れるかの証明といえます。
 このサイコ・アコースティックは生理反応にも敏感です。ある科学実験では、「気を
つけろ!大変だ!」というパニックした声を1万4000キロヘルツに変調して人間に
聞かせたのです。1万4000キロヘルツといえば、聞こえる音は「キーン」という響
きだけで内容は聞き取れないのです。
 ところがこの音を人間に聞かせると、人が驚いたときに反応するGSR(皮膚電流)
の数値が高くなるのです。聞こえるのは「キーン」という音だけですが、識閾下ではそ
の意味をちゃんと読み取っているのです。
 これを発展させたものが「サブリミナル・マスキング」です。これは、ある音を他の
音の音量や周波数を調節することによって覆い隠してしまうことをいいます。あるデパ
ートでこれを使って万引きを防止することを目的とした実験をやりました。
 まず、「私は正直です。不正なことはしません」とか「盗みは不正な行為です。私は
絶対にいたしません」といったメッセージを録音します。これを音量や周波数を調節し
てBGMの中にマスキングします。つまり、ちょっと聞いた感じでは普通のBGMなの
ですが、サブリミナルに働きかけるメッセージが巧みにマスキングされているのです。
 これを9ヶ月間にわたって実験した米国東海岸のデパート6店舗では、万引きと窃盗
が37.5%減少し、約1億円以上の損失を防ぐことができたというのです。これは、
サブリミナル・マスキングがよい方に使われた例です。
 ロック音楽には、サブリミナル・マスキングがよくない目的で使われているといわれ
ているのです。ロック音楽の音が異常に高いのは、このサブリミナル・マスキングをや
っているせいであるという説もあります。昨日のEJでお話したバックワードというの
は、高度なサブリミナル・マスキングなのです。
 「ドッグ・イズ・ナタス」という歌詞があったとします。何の意味かわかりませんが
これが何回も繰り返されるとします。そうすると、意味不明のままその歌詞を覚えてし
まうことになります。これを英語で書いてみましょう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
          DOG IS NATAS.  →  SATAN IS GOD.
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 「ドッグ・イズ・ナタス」は、逆回転すると「サタンは神である」という意味になり
ます。これがバックワード・マスキングです。これが一般に知られるようになったのは
1982年のことです。CBSニュースでキャスターのダン・ラザーが「ロック・スタ
ーたちは、レコードや歌の中に、逆さに潜在的にサタンの情報を伝えることによって、
彼らのメッセージを広め、サタンを崇拝している」として、テレビでそれを実験して見
せてからです。
 実は、そのときダン・ラザーは、例の DOG IS NATAS. を紹介したのです。これは
ジム・ダンデイ・マングルムが、「電灯がアルカンサスにやってきたとき」という曲の
中で、しゃっくりのような声を立てて「ナタス、ナタス」と歌うのです。そして「ヘカ
テ」と呼びかけます。このヘカテは、地上と冥府を支配する女神サタンのことです。こ
れらのワードを逆回転すると「サタン、サタンよ、彼は神である」となるのです。
 それでは、サタニストはなぜバックワードという手法を使うのでしょうか。それは、
彼らは昔から神を冒とくする方法として、逆十字架、逆キリスト像など、すべてを逆さ
まにする方法をとってきたからです。冒とくと同時に反対にして地に向けることで「地
獄を向く」とか「動物の本能に近づく」という意味を持たせ神聖なるものを逆方向に置
き換えるのです。そうして、キリスト教の常識を覆そうとするのです。
 ロック音楽によって若者たちのマインドを麻痺させ、本人の知らない間に巧妙に悪魔
崇拝にもっていき、気がついたときは魂を抜き取られ悪魔の奴隷になっている。これは
もしかしたら、現在多発している17歳の犯罪と関係があるかも知れません。彼らは悪
魔に魂を抜き取られているとしか思えないからです。
                   ・・・[ビートルズの少し怖い話題/07]
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2008年03月05日

●ハードロックとヘビー・メタル(EJ第411号)

 今朝は次の展開のために、ロックの知識を少し覚えていただきたいと思います。年配
の人には「関係ない」といわれてしまうかも知れませんが、知っておいて損はないと思
います。
 最初に覚えていただきたいのが「リフ」ということばです。例えば、ロック好きの若
者は次のように「リフ」ということばを使います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       『リフがダセえと曲がパアなんだよな』
       『リフ自体はわるくないけど、サウンドがねぇ』
       『〜のリフは最高にイカしてるよな。イントロが流れると
       ブルっちまうぜ』
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 「リフ」というのは、イントロやエンディングなどに繰り返しあらわれる印象的なフ
レーズ・パータンのことです。要するに、クラシックやジャズのテーマに該当するもの
がシンプルなロックの場合、リフと考えてよいでしょう。
 ロック・バンドにとって、このリフは重要であり、リフづくりのうまいバンドは人気
が高く、カッコイイのです。キンクス、ストーンズ、ツェッペリン、パープル――これ
らのグループはリフづくりが巧みであり、歴史に残る名リフも数多く生み出しているの
です。リフのポイントは「シンプルなカッコよさ」なのです。
 1960年代後半に英国を中心にあらわれた特徴のあるサウンドを持つロック・グル
ープがあります。クリーム、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、ブラック・
サパス、ユーライア・ヒープなどがそうです。
 これらのグループは、ヘヴィなリフの反復と、曲の中間に登場する、やや長めのギタ
ー・ソロを特徴とする形式を持っているのですが、これらのグループが演奏するロック
のことを「ハード・ロック」というのです。実は、サタンとの関わりが深いのは、この
ハード・ロックのグループになのです。
 1969年2月にレッド・ツェッペリンというグループが衝撃的にデビューします。
このグループはハード・ロックですが、その作品の中に「天国への階段」というロック
史上不朽の名作といわれる曲があるのです。
 この曲は実はいわくのある曲で、その中には邪悪なメッセージが隠されていますし、
バックワード・マスキングも施されているのです。これについては、いずれ詳しく述べ
ます。
 このレッド・ツェッペリンがデビューした同じ年の8月に、ニューヨーク郊外のウッ
ドストックで、40万人が集まって3日間にわたり、ロック・フェスティバルが行われ
たことは前にも述べましたね。この頃からロック・グループはサタンとの関わりを深め
ていくことになります。
 1970年2月13日の金曜日に、同じくハード・ロックのブラック・サパスという
グループがデビューし、アルバム「黒い安息日」を発表して、魔術を曲の中に打ち出し
てきたのです。これと同時期に、ブラック・ウイドウズというグループが「サクリファ
イス」(生贄)というアルバムを発表したのですが、この頃にはドラッグと黒魔術は強
く合体し、ハード・ロックの世界に定着していったのです。このブラック・サパスとブ
ラック・ウイドウズはともに黒魔術を曲の中に取り入れたのですが、前者は精神的なも
のとして取り入れたのに対し、後者はイメージカラー的な演出面で黒魔術を活用したの
です。
 このようにして、ハードロックの世界に悪魔主義は完全に入り込み、その精神を受け
継ぐディープ・パープル、イーグルス、ジューダス・プリースト、シン・リジィ、スコ
ーピオンズといったグループが次々と誕生してきたのです。
 この1970年代を過ぎて1980年代に入ると、ハード・ロックは、ヘビー・メタ
ルに移行していきます。しかし、その間の一時期に「パンク・ロック」というのが流行
します。
 パンク・ロックというのは、体制に反発する音楽イデオロギーのことをいうのですが
伝統の崩壊、秩序の破壊、既成社会への反抗の叫びをヒステリックに主張し、日常の欲
求不満をすべて音楽にぶつけたものをいうのです。
 セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムド、チェルシーなどは、パンク・ロックグ
ループですが、彼らはきわめて異常な風体をしていたのです。世紀末風のファッション
鋲つきの皮ジャンにチェーン、髪は逆立てて極彩色に染め、死人のような青ざめたマス
カラの隈どりといえば、ピンとくると思います。
 しかし、彼らに決定的に欠けていたのは演奏力であり、長時間のコンサートには耐え
られなかったのです。時代の異端児としては注目されたものの、演奏レベルの低さに人
気は長続きせず、当然の帰結として、出現の瞬発力と同じスピードで姿を消してしまう
のです。しかし、あの奇妙な風体だけは、若干姿を変えて次のヘビー・メタルに受け継
がれることになります。
 さて、ヘビー・メタルとは何でしょうか。
 ヘビー・メタルとは、そのサウンドを表現するものです。どういうことかというと、
ギター・コードの激しく鳴り響く音がデトロイトの自動車工場で、鋼鉄から車の部品を
プレスする流れ作業場の、耳をつんざくような騒音と似ているところから、そう命名さ
れたのです。
 その特徴はといえば、研ぎすまされた粗野でストレートな表現力、他の追随を許さぬ
スピード感にあるといえます。そして、当然のことながら、より悪魔主義と一体になっ
ていきます。
 アイアン・メディアン(鉄の少女)というグループは、悪魔の数字といわれる666
を前面に打ち出した曲「獣を野に放て、666、ナンバー・オブ・ビースト」という曲
を演奏し、悪魔主義運動を起こし、ヘビー・メタルの先頭に立ちます。
 そして、ヴェノム、サタン、デーモン、ウィッチファンド、エンジェルウィツチなど
のバンドが誕生するのです。まるで、地下教団的な秘密組織みたいですね。こういうヘ
ビー・メタルのファンの56%は17歳以下の青少年なのです。・・・[ビートルズの
少し怖い話題/08]
          

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