このレポートは、2000年6月14日から19日まで、6月26日から29日までの
8回にわたって記述したものであることをお断りしておきます。
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今日のテーマはビートルズです。これを皮切りに断続的ではありますが、ロックの話
をしようと思います。これは少しというかかなり怖い話になると思います。
さて、みなさんは、ロックの元祖的存在は誰だとお思いになりますか。実は、ロック
の起源については諸説があり、はっきりしていないのです。
ロック音楽が音楽市場で日の目を見たのは1950年代とされており、この説が正し
いとすると、その元祖は、エルヴィス・プレスリーということになります。そうです。
あのロックン・ロールがロックの元祖的存在なのです。
プレスリーの名前を世界的に広めたのは、当時の米国の超人気番組「エド・サリバン
・ショー」への出演なのです。プレスリー以前のロックは、ジャズ、黒人霊歌、カント
リー・ウェスタン、リズム・アンド・ブルースなど既成の音楽の混合物のようなもので
あり、典型的な演奏スタイルというものはなかったのです。
エルヴィス・プレスリー、ビル・ヘイリーによって火のついたロックン・ロールは、
その後、リトル・リチャード、ビル・ハーレ、チャック・ベリーという強烈なロックン
・ローラーを生むことになります。
そして、1963年になると、英国でビートルズが登場し、その後すぐにローリング
・ストーンが現れます。この両者は、ロックの2大バンドとして君臨します。そして、
やがてアニマルズが頭角を現して三番手につけるのです。
さて、本来「ロック」という言葉は「ロックン・ロール」を略した言葉なのですが、
ビートルズにより代表されるロックとプレスリーによって代表されるロックン・ロール
とは、次第に音楽的に内容が変化して行ったのです。
ごく大まかにいってしまうと、ロックン・ロールはビートルズが登場する1964年
以前のものであり、ロックはビートルズ以降のものを指すことになります。
そして、ロックは、次のようなさまざまな音楽形式を持つ音楽として確立していくこ
とになるのです。
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1.ハード・ロック 7.クラシカル・ハード・ロック
2.ヘビーメタル 8.スラッシュ・メタル
3.パンク・ロック 9.スピード・メタル
4.デス・ロック 10.ブラック・メタル
5.神秘ロック 11.グランジ・ロック
6.デス・メタル
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ロックの元祖ビートルズも、1964年2月にエド・サリバン・ショーに出演したの
ですが、日曜夜のゴールデン・アワーの時間帯で94%という驚異的な視聴率を獲得し
たのです。世界は、これをキッカケにして、空前絶後のビートルズ・ブームに突入して
いくのです。
この時代の米国は社会的混迷期に当り、ケネディ大統領、キング牧師の暗殺事件をは
じめ、それにベトナム戦争の泥沼化が加わり従来の価値観を崩壊させる泥沼の時代にな
っていったのです。
そして、ベトナム敗退、経済不況、失業者の増大と続くなかでその時代を担っていた
のは、ヒッピーを中心とした若者でしたが彼らは、マリファナ、LSD、麻薬などと結
びつき、サイケデリック革命なども起こったのです。
そういう若者のあいだに芽生えた感覚主義は、実存主義、コミューン思想、社会主義
神秘主義などに受け継がれ、その中でとくに神秘主義は根強く浸透していくことになり
ます。心霊術、超能力、超心理学、東洋神秘思想、宇宙との交信術、占星術、魔術古代
宗教など多岐にわたり、それがひとつの宗教のようなかたちになっていったのです。ビ
ートルズが登場したのは、そうした時代の変動期のはじまりであり、“毒”を含んだ新
しい時代の幕開けだったのです。
こうした時代を背景として、ロック・ミュージックは、自らのアイデンティティを求
めて強烈な自己主張を行い、それは精神の広がりもたらすドラック(幻覚剤)と結びつ
いていくのです。
ロック・フェスティバルというと、一見宗教的なシンボルやコスチューム、荒々しく
陶酔を誘う強いビートと旋律、ドラックの使用、狂乱的なダンスがつきもの・・。これ
は、参加者にひとときの精神の解放、浄化作用をもたらす効果があったといえます。
興味のある話があります。プロテスタントのある宣教師は、クリスチャンに改宗した
原住民たちにロックを聞かせてみたところ「これは悪霊を呼び出す音楽である」といっ
たといいます。彼らは、以前、自分たちが暗闇の悪魔的霊界と接触するときに使ったサ
イキックな刺激と同じものをロック・ミュージックの中に感じ取ったというのです。
さて、1960年代後半のドラックといえばLSDです。これを世界中の若者たちに
奨励し、それを浸透させる推進力になったのはビートルズであるという説があります。
「そんな、馬鹿な!」という人がいるかも知れませんが、ビートルズの曲の歌詞をて
いねいに読むと、それを否定できなくなります。ほとんどの人は、歌詞なんて聞いてい
ないし、注目していないと思います。今日は、予告編になってしまいました。
・・・「ビートルズの少し怖い話/01」