2007年09月26日

●賞賛されるべきスチュワーデスの沈着冷静さ(EJ第1079号)

 当時中曽根首相は、記者会見や国会答弁において、次のようにいっていたのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
           1.事故原因は徹底的に究明する
           2.人命最優先でことに当ること
           3.遺体の捜索は最後の一体まで
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 しかし、中曽根首相は、これと正反対の姿勢でコトに当っているのです。第1の事故
原因の究明ですが、事故調査委員会は早期の海底調査を行う必要があるとして特別予算
を計上したのですが首相は何のサポートもせず、却下されているのです。徹底的に調査
されては困ることがあるからです。
 第2の「人命優先」ですが、事故が起きた当日の午後7時過ぎには、どこに墜落した
か政府としては分かっているはずなのに、「行方不明」として朝まで発見を引き伸ばし
ています。墜落直後には、相当の生存者がいたことが生存者の証言によって明らかにな
っているのですから、結局は彼らを見殺しにしたことになります。何が「人命優先」で
しょうか。「政権維持優先」です。
 第3の「遺体の捜索」ですが、事件後9日にして、古屋国家公安委員長は、「全遺体
の収容は困難、捜査の打ち切り」を首相に進言し、少しでも早く合同慰霊祭をして、事
件の幕引きを図ろうとしているのです。これに対して、首相は何らリーダーシップを発
揮することなく、事故原因は隠蔽されたまま、事件は幕が引かれてしまったのです。日
頃リーダーシップを売り物にしていた中曽根氏とは別人のようなやる気のなさです。
 考えてみれば、中曽根内閣のときに際立って前進したのが防衛問題でした。次期防衛
計画、シーレーン防衛論、防衛費の対国民総生産(GNP)比1%枠の撤廃論――こう
いう動きの中で、日米共同でミサイルの開発が行われたのでしょうが、それがとんでも
ない事故を起こしてしまったというわけです。
 何か問題が発覚しそうになると、組織として隠ぺい工作に走る――それが官僚の真骨
頂ですが、中曽根内閣もそれと何も変わるものではなかったのです。もし、真相がEJ
のレポートの通りであるとすると、国家犯罪そのものです。
 それにしてもJAL123便事件が起こった1985年(昭和60年)という年は、
いろいろなことが起こった年です。
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       ロッキード事件        イラン・イラク戦争
       エイズ上陸          メキシコ大地震
       ロス疑惑           ボン・サミット
       テレビ朝日やらせ事件     阪神タイガース優勝
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 JAL123便墜落事件のレポートを書くために、たくさんの本や資料を読んだので
すが、非常に印象的だったのは、JAL123便の乗員の努力です。本来ならとっくに
操縦不能になっているはずのジャンボ機を高度な操縦技術によって立て直し、何とか乗
客を救おうとした、機長をはじめとする操縦クルーのがんばりは賞賛されるべきでしょ
う。
 しかし、乗客の方から見れば、操縦クルーの様子は窺い知ることはできないので、ど
うしてもスチュワーデスの表情や態度を見てしまいます。しかし、JAL123便のス
チュワーデスは冷静そのものであり、これがどれほど乗客の不安を和らげたか計り知れ
ないものがあります。これは、ボイスレコーダからも、乗客が遺したメモからにも最後
まで沈着冷静であったことが、明らかになっています。何しろ事故発生から墜落まで4
0分間もあったのですから、その恐怖たるや大変なものであったと思います。
 墜落の直前に機内に流れたスチュワーデスのアナウンスに、次のようなものがありま
す。最後まで希望を捨てずに、不時着のさいの注意事項を落ち着いて切々と訴えていま
す。
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      ・・・もうすぐ・・赤ちゃん連れの方は座席の背に頭をささえ
      て・・ください。赤ちゃんはしっかり抱いてあげてください。
      ベルトはしていますか。テーブルは戻してありますか。確認し
      てください。着陸のさいは、あの・・、予告なしで着陸する場
      合が・・。地上との交信はちゃんとつながっております。
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 別なスチュワーデスは、木の葉のように揺れる機内で次のようなメモを書いていま
す。遺書ではありません。不時着したさいの脱出方法をアナウンスする注意事項をま
とめたものです。
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      おちついてください。
      ベルトをはずし身のまわりを用意してください。
      荷物はもたない。指示にしたがってください。

      PAX(乗客)への第一声
      各DOORの使用可否
      機外の火災C、K
      CREW間C、K

      座席ベルトを外した頃
      ハイヒール
      荷物はもたないで
      前の二列
      ジャンプして ・・・・・・・以下略
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 スチュワーデス自身も不安でいっぱいだったはずです。しかし最後まで乗客を守るこ
とに徹する――本当に立派であったと思います。こういう事件を風化させてはなりませ
ん。いつ再発するかいつ自分に起こるかわからないからです。 ・・・[御巣鷹山事故
の謎/26]
              
posted by 管理者 at 03:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 御巣鷹山事故の謎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1985年8月27日の中間報告(「航空情報」1985年の11月号)もご指摘いただければと思います。「これはだめなのかもわからんね」「どーんといこうや」ばかりクローズアップされました。
しかし、 「37 (CAP)ターンレフト。」(国会質問議事録にもある) 「 (CAP)頭下げろ いくか!」(スチュワーデスの方が、赤ちゃん連れの方背に頭を座席の背に頭を支えて立ち上げていてください。ベルトはしていますか、テーブルは戻してありますか、とアナウンスしていたころです)
も重視していただきたいのです。着陸態勢だったわけです。
Posted by 123 at 2007年10月15日 02:47
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