2007年06月12日

●日中もし戦えばどちらが勝つか(EJ第1382号)

 多くの日本人は、自衛隊は実戦経験はないし、あまり頼りにはならないと考えていま
す。しかし、自衛隊は世界一実戦経験が豊富な在日米軍と実戦さながらの緊密な合同訓
練を何回も行い、経験を積んできています。まさに、自衛隊と在日米軍は、まるで1つ
の軍隊のように、日本列島を守っているのです。
 そこで、自衛隊の実力がどの程度のものかを知るために、軍事ジャーナリスト井上和
彦氏のレポートを参考にして、現在脅威を増しつつある中国軍との戦力比較を行ってみ
ます。
 しかし、現実問題として、仮に日本と中国の間に第2次日中戦争が勃発した場合、米
国や台湾が日本に加勢することは確実であり、単独戦争は考えられないことですが、こ
こではあえて日中双方が研究・開発にしのぎを削る主要兵器による「一騎討ち」を想定
して、両軍の主戦力を比較してみます。
 第1に「空の戦い」です。
 現代戦は空から戦端が切られます。かつての湾岸戦争、アフガニスタン戦争、そして
今回のイラク戦争――いずれも、空から戦端が切られています。したがって、各国は空
軍力の整備・近代化に懸命に取り組んでおり、日中両国もその例外ではないのです。
 保有戦闘機の数を比較すると次のようになります。
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            日本 ・・・・・  360機
            中国 ・・・・・ 2570機
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 保有台数では比較になりません。中国は日本の7倍もの戦闘機を持っています。しか
し、戦闘機の質を見ると中国の戦闘機はかってソ連が開発した「ミグ19」ないし「ミ
グ21」の改良型ばかりであり、もはや骨董品級の代物なのです。
 これに対して航空自衛隊は、次のように近代的戦闘機をずらりと揃えているのです。
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          F15戦闘機 ・・・・・ 200機
          F 4戦闘機 ・・・・・  90機
          F 2戦闘機 ・・・・・  40機
          F 1戦闘機 ・・・・・  30機
              ―――――――――――――――――
                       360機
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 しかし、中国は、1998年からロシアの最新鋭戦闘機「スホーイ27」の配備をは
じめています。これは最終的には250機が配備される予定です。加えて、「スホーイ
27」の発展型である「スホーイ30」150機の配備も計画されており、これが揃え
ば、やっと日本と互角に渡り合える航空戦力となるのです。
 しかし、戦闘機の優位性は、こうしたハード面だけでは決まらないのです。とくにこ
うしたハイテク戦闘機の場合、いかに機を使いこなせるかにかかっています。その尺度
となるのは、飛行時間なのです。これについては、日本と中国の間には決定的な差がつ
いているのです。
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        ≪飛行時間≫
         航空自衛隊 ・・・・・ 年間最低150時間
         中国空軍  ・・・・・ 年間平均 25時間
         スホーイ27部隊 ・・ 年間平均100時間
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 加えて、中国海軍は、慢性的な部品の欠乏という問題を抱えていて、飛べない戦闘機
が多いのです。中国のスホーイ戦闘機の稼働率は60%といわれています。これに対し
て日本のF15戦闘機は、故障しても翌朝には飛び立てる状況になっており、その稼働
率は90%です。
 さらに、ロシアやイスラエルの技術支援を受けて成長を続ける中国空軍は日本にとっ
て脅威であり、米軍の持つ中距離空対空ミサイル「AMRAAM(アムラーム)」に匹
敵する99式空対空誘導弾のF15戦闘機への標準装備化をはじめ、赤外線誘導方式の
新短距離空対空誘導弾の開発をするなど、F15戦闘機による航空優勢を確保しようと
しているのです。
 また、航空自衛隊は、早期警戒管制機AWACSの導入と空中給油機の導入に踏み切
り、これによって中国空軍を圧倒しています。AWACSは、水平線の彼方から飛来す
る敵機を早期に捕捉し、あらゆる情報をF15戦闘機に伝え、適切な航空管制によって
効率のよい空中戦闘を実現することが可能になっています。加えて、空中給油ができる
ので、航続距離の伸張と長時間戦闘が可能になっていることも強調しておきます。
 こういうわけで、今のところ数は少ないものの、質の面で日本は中国空軍を圧倒して
おり、空の戦いにおいては、日本が中国に対して優位に立っているといえます。
 第2に「海の戦い」です。
 保有する艦艇と人員で比較してみます。
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                艦艇      人員
         海上自衛隊 140隻   4万4000人
         中国海軍  740席  22万0000人
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 やはり艦艇の数および人員において日本は中国に圧倒されています。しかし、中国の
水上艦艇のほとんどは、現代戦にはとても耐えられない旧式艦であり、イージス艦をは
じめハイテク艦をずらりと揃える海上自衛隊の敵ではないのです。
 しかし、中国はやはりロシアからソブレメンヌイ級駆逐艦を導入するなど、急ピッチ
で近代化を進めているのです。中でも力を入れているのは、潜水艦戦力であり急速に近
代化されつつあるのです。中国の潜水艦戦力は日本にとって大いなる脅威となります。
これについては、明日のEJで述べます。      ・・・[自衛隊の実力/13]

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posted by 管理者 at 05:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 自衛隊の実力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
かつて日露共同訓練でのロシア海軍士官の話「ロシアの艦艇の武器は、日本のように優秀で精密な武器ではないので、故障ばかりしている。整備が大変だ。長期間の航海は無理だ」と言っていました。中国の4隻のソブレメンヌイ級にしても、同じ武器体系は2隻毎のペアであり、故障した場合のメンテナンスは、大変だと思います。また、水上艦艇の対潜水艦戦能力、潜対潜/潜水艦対潜水艦戦(海の中の音響戦能力)も極めて低い(ほぼゼロ)ので、日中海戦になればフォークランド海戦のアルゼンチン海軍のように1週間で中国の港から出られなくなります。
Posted by 廣 文仁 at 2012年09月30日 11:51
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