2006年09月04日

●フェリーの死/ギャリソンの誤算(EJ第1452号)

 デビット・フェリーは、ギャリソン検事の尋問に対して、次の3つのことを供述して
います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 1.オズワルドは知らない。少年のとき、市民航空パトロール隊にいたということだ
   が、覚えていない。
 2.JFKが暗殺された金曜日は、スケートをやりたくなって若い友人とヒュースト
   ンに行ったこと。
 3.土曜日の夜はガルヴェストンに行き一泊した。日曜日は雁を撃ちに行ったが、一
   羽も獲れなかった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 しかし、その時点でギャリソン検事は関係者から詳しく事情を聞いており、そのすべ
てがウソであると見抜いてFBIの尋問のため、フェリーを拘留するのです。
 しかし、FBIはフェリーを直ちに釈放してしまうのです。そして、FBIスポーク
スマンは、わざわざテレビで次のコメントを発表します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ・・・フェリー氏はリー・ハーヴィー・オズワルドの知人ではなく、また大統領暗
 殺事件とは何の関連もないということが判明しました。ここで、明確にしておきま
 すが、フェリー氏は尋問のためオーリンズ郡の地方検事によって拘留されたのであ
 って、その拘留にFBIは関与しておりません。当局はその件でフェリー氏を煩わ
 せたことに対して遺憾の意を表し
          ・・・――FBIスポークスマン/映画『JFK』より
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ギャリソン検事は、このFBIスポークスマンのコメントで、FBIもケネディ暗殺
事件に関与していることを知るのです。そしてその後も執拗にフェリーをマークし続け
るのです。
 しかし、CIAもFBIもフェリーが非常に危険な人物であるとして、ある筋を通し
てフェリーに圧力をかけます。これによってフェリーは精神的に追い詰められギャリソ
ンに身の安全を求めてきます。これを受けてギャリソン検事はフェリーをホテル・フォ
ンテンブローに匿うのです。
 映画『JFK』にこのフォンテンブローのシーンが出てくるのです。オリバー・ス
トーン監督によると、このホテルのシーンはフェリーとギャリソン(ジム)それにルー
・アイヴォン主任捜査官が実際にかわした会話を基に書いたそうです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 フェリー:俺はもう逃げられない。追手はそこまで来ているんだ。もうおしまいだ。
 ルー  :まあ、ディブ、ルーム・サービスでも頼もうじゃないか。何か腹に詰め
      て、くつろげよ。好きなだけここにいてやるから。≪一部略≫
 ジム  :ディブ、単刀直入に聞いていいかな?CIAに雇われたことがあるか?
 フェリー:(笑う)何だか遠い昔のことを聞いているような言い方だな。CIAから
      は抜けられないんだぜ。いったん入ったら死ぬまでな。
 ジム  :ショーは?
 フェリー:ショーは特別待遇だ。最高ランクさ。ショー、オズワルド、キューバ人、
      みんなCIAだ。
 ジム  :ルービーはどうだ?
 フェリー:ジャックか?ジャックはヒモさ。ダラスのマフィアの集金屋だ。よくカス
      トロ に銃を送ってたよ。 ≪一部略≫        
 ジム  :誰が大統領を殺したんだ?
 フェリー:おい、よせよ。そりゃ問題がデカすぎるぜ!誰がケネディをやったか?
      それは謎また謎に包まれたミステリーだ。狙撃した奴でさえ依頼人を知ら
      ないんだぜ。わかるだろう?こんなにしゃべってたら殺されてしまうよ。
      俺は死んじまうんだ!           ―――映画『JFK』より
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ことはフェリーが恐れていたようになったのです。フェリーは自分の家で死体になっ
て発見されるのです。明らかに何者かに殺害されたと考えられますが、検死官は自然死
――脳溢血と断定しています。JFKの死後、その重要証人はことごとくこのようにし
て殺されてしまっているのです。自然死を装って・・・。
 ギャリソン検事は、このデビット・フェリーの死について次のようにいっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 この陰謀の件で、良心の呵責らしきものを表したのはフェリーだけだった。だから
 殺されたんだ。  −−ジム・ギャリソン
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 そして、フェリーと関わりのあったキューバ人の友人、エラディオ・デル・ヴァレも
殺されたという情報がギャリソン検事のところに届けられます。ギャリソン検事が尋問
を予定していた人物なのです。
 フェリーの死によって、ギャリソン検事の真相究明のマトはクレイ・ショーしかいな
くなってしまったのです。そして、1967年3月2日、ニューオーリンズ検事局はク
レイ・ショーをケネディ大統領暗殺の犯人として逮捕するのです。そしてギャリソン検
事はクレイ・ショーを裁判に持ち込むのですがさまざまな妨害にあって、陪審団はクレ
イ・ショーを無罪にします。
 しかし、ギャリソン検事はその翌日、ショーが共謀者といわれる人々と知り合いだっ
たことも会ったこともないと否定したことについて、偽証罪で起訴するのですところが
連邦政府は、ギャリソン側に「背信」ありとする珍しい処置をとり、二度目の起訴を禁
じたのです。なお、ウォーレン報告書には、デビット・フェリーもクレイ・ショーも
一切登場しないのです。               ・・・・ [JFK029]

クレイ・ショー(本人).jpg
posted by 管理者 at 04:18| Comment(1) | TrackBack(0) | JFK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
興味深い情報ありがとうございます。「ウォーレン報告書には、デビット・フェリーもクレイ・ショーも一切登場しない」まさに、この部分がこの報告書の真偽が疑われる部分ですね。真実が明かされる日が来ることを祈ります。
Posted by ETCマンツーマン英会話 at 2013年01月07日 10:32
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がない ブログに表示されております。