ほど話題になったかというと、キリスト教の知られざる部分をク
ローズアップさせたからであるといえます。誤解を恐れずにあえ
て書くと、カトリック教会として最も取り上げて欲しくないテー
マをあえて白日の下に曝け出して見せた――そういうことになる
と思います。
果たせるかな、多くの宗教団体が非難の声をあげ、ダン・ブラ
ウンの多くの誤りを指摘する書籍が出版され、関連するウェブサ
イトやブログには批判のことばが殺到したのです。
しかし、キリスト教の神学者や聖職者で作る次のウェブサイト
で、ジョン・ティンテラーは次のように書いています。
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「ダ・ヴィンチ・コード」の宗教に関する記述は、完全に間違
っているわけではないが、飛躍しすぎのきらいがある。だがそ
れでも、キリスト教界を長年の眠りから起こす効果があったこ
とはたしかだろう。つまり、これまで見過ごしがちだったキリ
スト教の原点や歴史を、よい面も悪い面も含めて、新たな目で
見つめなおす機会を与えてくれたのである。
http://www.explorefaith.org/
――ダン・バースタイン著/沖田樹梨亜・訳
『ダ・ヴィンチ・コードの「真実」』/竹書房
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確かにこの小説を読むと、キリスト教というものを改めて調べ
直そうという興味が湧いてきます。われわれはキリスト教につい
てどれほどの知識を持っていたでしょうか。その知識はきわめて
漠然としたものでしかなかったはずです。
日本の仏教徒だって「お経」の中身はさっぱりわからないし、
キリスト教徒にしても聖書の4つの福音書を読んで、なぜ福音書
が4種類あるのか、福音書によって記述が異なる部分が多いのは
なぜかなどと考える人は少ないと思うのです。
キリスト教について考えるとき、イエスの死後からニケーア公
会議以前のキリスト教がどうであったかについて、基本的なこと
を押さえておく必要があるでしょう。このことは、現在のキリス
ト教を考えるさいにも役に立つと思います。
何はともあれ、ヤコブとパウロについて知る必要があります。
まず、ヤコブについて述べます。イエスが磔刑に処せられ死亡し
たあと、イエスの教えを広める先頭に立ったのは、キリストの4
人兄弟の中で最年長であるといわれるヤコブなのです。
一般的には、イエスはかなり長く布教していた印象があります
が、実はたったの1年なのです。その後20年以上はヤコブが布
教を行ったのです。したがって、その当時のキリスト教は「ヤコ
ブ教」といってもよいほどなのです。
そもそもイエスが逮捕される直前、ゲッセマネの園で祈ってい
たのは、イエスのほかにペテロ、ヤコブ、ヨハネの3人だけであ
り、この3人はイエスの側近中の側近であるといえます。しかし
これほどの側近でありながら、ヤコブのことは新約聖書ではほと
んど触れられていないし、福音書でも彼の行動やセリフは描かれ
ていないのです。
それにイエスが布教をしている頃のキリスト教は新興宗教であ
り、イエスが教祖だったということです。イエスもヤコブもユダ
ヤ教徒だったのですが、新しい宗教を興したわけです。一般論で
すが、新興宗教というものは既存の宗教を否定し、世の中の常識
的な価値観を破壊し、新しい世界を創出する――そういういわば
現状を壊す過激派的な性格を必然的に帯びるものなのですが、キ
リスト教も同様だったといえます。
その教祖であるイエスが犯罪者として裁かれ、死刑に処せられ
る――考えてみれば、キリスト教は、そういう最悪の状況からス
タートしたのです。しかも、そのようにして自分が殺されるとい
うことをイエス自身が覚悟していたというところにキリスト教の
すごさがあるのです。
新興宗教は教祖がいなくなると崩壊してしまうものです。しか
し、キリスト教がそうならなかったのは、イエスがあらかじめ自
分の死を前提として、自分の教えを弟子たちに文章で記録させる
という方法で残したからです。この記録があれば、イエスが死ん
でも弟子たちによって教えを広めることができるからです。この
ようにして生まれたのが福音書です。
このヤコブ――民族主義者であり、古代パレスチナの領主であ
るヘロデ・アンティパスを批判する反体制主義者だったのです。
イエスの死後もガラリア州で反体制運動をやっていたものと思わ
れます。そのため、やがてヤコブは逮捕され、処刑されてしまう
のです。つまり、ヤコブは、イエスの12人の弟子の中で最初の
殉教者ということになります。
この殉教者ヤコブの人気は高く、やがてそれは伝説となって伝
えられることになります。斬首されたヤコブの遺体は小舟に乗せ
られ、地中海に流されたのですが、それがスペインに流れ着いて
いるのです。そしてスペインで墓が作られ、これが後に発見され
て大寺院が建設されることになります。
聖書の研究家として知られる三田誠広氏の著書には、ヤコブに
ついて次の興味ある記述があります。
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ヤコブは英語でジェイコブ、変形してジェイムスと呼ばれるが
スペインではイアーゴと呼ばれる。聖ヤコブは、サンティアー
ゴ、あるいはサンチャゴとなる。スペインの西海岸にサンチャ
ゴ・デ・コンポステラ(星の野の聖ヤコブ)という地があるが
ここはヨーロッパの人々の巡礼の目的地になっている。また、
エルサレム、ローマと並んでキリスト教の三大聖地とされてい
る。――三田誠広著、「ユダの謎キリストの謎/こんなにも怖
い、真実の聖書入門」より。祥伝社/ノン・ブック
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・・・[ダ・ヴィンチ・コード/14]
≪画像および関連情報≫
・聖ヤコブについて
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キリスト教12使徒の一人である聖ヤコブ(スペイン語名サ
ンティアゴ)の墓が9世紀初頭、スペイン北西部サンティア
ゴ・デ・コンポステーラで発見され、それ以来、ローマ、エ
ルサレムと並び、このサンティアゴがヨーロッパ三大巡礼地
の一つとして崇められ、キリスト教信者の心の拠り所となっ
ています。中世には年間50万もの人が徒歩又は馬車でピレ
ネー山脈を越え、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを
目指したと言われています。
http://home.att.ne.jp/wood/aztak/untiku/santiago.html
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...(真を求めて 皆様とともに幸せになりたい)
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世界の人口が、2011年10月31日に70億人を越えたという。アメリカの国勢調査局が推計した。
そして今、1分間に137人が増えているという。
それは、1日にすると、20万人が増えている事になり、1年間に7000万人の人が増えているという事になるという。
また、因みに、世界で、1年間に約6000万人の方が亡くなり、1億3000万人の人が生まれているという。
そして、キリスト教の信者数は約20億人(29%)と言われている。()内の数字は、世界の人口に対する比率である。以下同様。4人に1人強ぐらい。
そして、イスラム教徒約11億人(16%)、ヒンズー教徒10.5億人(15%)その他(40%)である。
そして、キリスト教の内訳をみると、カトリック約10.8億人(53%)である。()内の数字は、キリスト教徒全数に対する比率である。以下同様。
そして、プロテスタント約3.5億人(17%)、正教会約2.2億人(11%)、その他教派3.9億人(19%)である。
一番多いカトリック教徒は世界の全人口の15%である。7人に1人ぐらいである。因みに、日本におけるキリスト教徒の比率は1%である。
故に、以上で見た様に、キリスト教を信仰して居るという人が一番多く居ると言っても大多数ではない。1/4だ。
故に、世界の多くの人々は、『キリスト教の神は居る』というキリスト教徒ではない。
また、キリスト教徒であっても、マザー・テレサさんの様に、一生涯、キリスト教の神の存在に疑問を持ち、キリスト教の神は居ないと、感じていた人も居る。
彼女の死後、この事が公表されたが、彼女が一生涯、死ぬまで、『キリスト教の神は居ない』と思い、感じていたという正直な話だ。彼女の真実への誠実さを感じる。
キリスト教徒でさえ、この様に感じている状態なのである。しかし・・、
キリスト教の教義は、その神が居るものだと(つづく)
..
(詳しくは、以下のブログへ)
http://blog.goo.ne.jp/hanakosan2009 /