2008年12月29日

●『生命の樹』の裏側にあるもの(EJ第1864号)

 カッパーラについて説明している本の「死の樹」のイラストを
見ると、「生命の樹」が生えている地下に向かって正反対に生え
ている樹が「死の樹」として説明されています。
 つまり、「生命の樹」の下の部分に鏡を当てたとき、鏡に写る
のが「死の樹」であるというのです。しかし、なぜ、ここで鏡が
出てくるのでしょうか。なぜ、鏡像反転なのでしょうか。
 鏡と反対向きの樹――これは日本の神道の伝説に共通点がある
のです。それは、天照大神を天の岩戸から外へ導き出すあの「天
の岩戸開き神話」です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 天照大神が天岩屋に籠もったとき、天の岩戸の前には榊が置か
 れた。しかも、たんに置かれただけでなく、そこに八咫鏡がか
 けられた。         ――「天の岩戸開き神話」より
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 まず、「榊」という字をよく見ていただきたいのです。「神の
木」と書いてあります。これは「生命の樹」に通じるものがあり
ます。しかも、この榊――供えるときは逆向きに置くことになっ
ているのです。「逆木(さかき)」とも解釈できます。
 その榊にかけた「八咫鏡(やたかがみ)」――これは、「生命
の樹」に鏡を立てて見るという意味に取ることもできます。この
ことから、「生命の樹」の本質を知るには、鏡に写さなければな
らないという奥義(秘伝)が伝えられているのです。
 こういう「生命の樹」などの奥義――僧侶や修験者などが修行
して一定のランクに達すると伝授されるものなのです。いわゆる
「資質の証明」――それを伝授するに足る資質、すなわち秘密を
守れることが認められると伝授されるものなのです。
 ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』に次の記述があり
ます。ラングドンとソフィーが、チューリッヒ保管銀行パリ支店
長ヴェルネの手引きで逃走中の車の荷台の中のシーンです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ソフィーは落ち着かない顔つきになった。祖父によく宝探しを
 させられたと言っていたのを、ラングドンはふと思い出した。
 “資質の証明”だ。キー・ストーンも同様の発想に基づく。も
 っとも、それを言うなら、この種の試練は秘密結社ではひどく
 ありふれてぃる。何よりも有名なのは、フリーメイソンのそれ
 だ。長年かけて、会員は自分が秘密を守れることを証明し、儀
 式をおこない、さまざまな試練を経ることによって、高位へと
 昇進する。第三十二位階のフリーメイソンに任命されて、要求
 はしだいに重くなっていく。
        ――ダン・ブラウン著/越前敏弥訳/角川文庫
            『ダ・ヴィンチ・コード(中)』より
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 さて、「生命の樹」と正反対に地底に伸びる「死の樹」は絵画
として描くのは面白いですが、解決できない問題が残るのです。
それは御子イエス・キリストの位置です。「生命の樹」の下に鏡
を当て、画像を上下反転させてもイエスは御父エロヒムの方から
見て左に位置したままです。右に位置するようにするには、鏡を
上下反転させた上で、さらに左右反転させる必要がある――あま
りにも複雑過ぎると思うのです。
 イエスが御父の右にくる――これは極めて重要なことであり、
動かし難いことです。そうであるなら、神の方から見て、イエス
が右にくる状況がひとつだけあるのです。こちらから神を見ると
イエス(慈悲の柱)はエロヒムの右に位置しています。というこ
とは、神の方から見るとイエスは、エロヒムの左に位置すること
になります。
 しかし、こういう状況でイエスがエロヒムの右にくるのは、3
神がこちらに背中を見せている状況だけです。これなら、イエス
は間違いなくエロヒムの右に位置しています。そうなると、「生
命の樹」もこちらに裏側を見せていることになります。つまり、
われわれは「生命の樹」の裏側を見ているわけです。
 この「生命の樹」の裏側こそ「死の樹」であるとは考えられな
いでしょうか。
 この考え方の方が、地下に向かって逆さまに「死の樹」が生え
ているという考え方よりも説得性があると思うのです。つまり、
「生命の樹」と「死の樹」は背中合わせに存在している――パラ
レル・ワールドのようなものです。
 この考え方に立つと、「死の樹」をもっとうまく説明できると
思います。「生命の樹」を順調に昇っていたら、ちょっとしたは
ずみで「死の樹」に入ってしまい、それに気が付かないというこ
とも理解できます。自分は「生命の樹」を昇っているつもりでい
るのに、知らないうちに「死の樹」を昇っている――そして最上
位のセフィロトに達してはじめてピラミッドの目の本当の主が堕
天使ルシファーの目であると聞かされて愕然とする――そう考え
ることはできると思います。
 「死の樹」には入ってしまうと、すべてが正反対に見えるので
す。したがって、自分のやっていることが見えなくなります。あ
のオウム真理教が典型的な例です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 オウム真理教の人間は傲慢である。サリン事件をはじめ、数多
 くの殺人、反社会的なことをしでかしたにもかかわらず、教祖
 麻原彰晃が自らの正当性を主張してやまない。信者の多くもま
 た、麻原を神のごとく崇拝し、日夜、修行を続ける。
                ――飛鳥昭雄/三神たける著
     「『陰陽道』の謎/失われたカッパーラ」より 学研
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 「死の樹」はマイナスなのです。したがって、プラスのことを
しようとするにはマイナスのこと、つまり、反社会的なことをし
なければならないわけです。マイナス、マイナス、プラスである
からです。「ポワ」などの考え方はこのように考えると、解けて
くると思います。    ・・・[秘密結社の謎を探る/38]


≪画像および関連情報≫
 ・「死の樹」とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  地獄には「生命の樹」ならぬ「死の樹」が生えているのだ。
  あたかも「生命の樹」の根のごとく、「死の樹」は地下に向
  かって伸びている。当然ながら、その構造は「生命の樹」と
  まったく同じである。両者は、互いに上下左右が正反対の関
  係になっている。ちょうど平面上で「生命の樹」を180度
  ひっくり返せば「死の樹」になる。
                ――飛鳥昭雄/三神たける著
       『失われた堕天使/「ルシファー」の謎』 学研
  ―――――――――――――――――――――――――――

「生命の樹」と「死の樹」.jpg



posted by 管理者 at 03:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。