2008年12月01日

●テンプル騎士団が核心である(EJ第1845号)

 5月25日に映画『ダヴィンチ・コード』を鑑賞したのです。
平日の午後3時という時間帯であったにもかかわらず、満員の盛
況でした。原作の人気を反映していると思います。
 映画の内容はかなり難解であるといえます。原作を読まないで
行けばほとんどわからないでしょうし、原作を読んで観に行って
もよくわからない部分が残ると思います。
 この映画のキーワードは秘密結社――テンプル騎士団、シオン
修道会、オプス・デイ――これら3つの秘密結社のそれぞれの関
係がかなり複雑であって、映画を一回見ただけでは、すんなり納
得できないと思うのです。それにマクダラのマリアのミステリー
がからんできます。
 今回EJのテーマでは、秘密結社――なかでもフリーメーソン
について探求していきますが、それは「ダヴィンチ・コード」の
謎にも直結する問題でもあるのです。映画では、「フリーメーソ
ン」という言葉はラングドンのセリフとして確か1回だけ出てく
るだけですが、この映画とフリーメーソンは、深く密接な関係が
あるのです。しかし、映画ではそれが意識的に隠されています。
 謎を解く鍵はテンプル騎士団にあります。彼らは「異端」の疑
いで逮捕されています。本当の意味で根も葉もないことではなく
必ずしもフィリップ4世のでっち上げでもないのです。そうでな
ければ、いかにフィリップ4世といえども、周辺諸国に対して、
同様にテンプル騎士団を捕えるべしと同調を呼びかけることはで
きなかったはずです。
 事実、フィリップ4世の呼びかけに同調したイングランドでは
異端審問所においてテンプル騎士団の団員を調べています。そし
て何人かの団員から、次の証言を引き出しているのです。
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  1311年6月、イングランド異端審問所は、とある騎士団
 員から、「入団の際にイエスは人であって、神ではないと告げ
 られた」という興味深い情報を引き出した。
  また他の団員は、ジャック・ド・モレーが「イエスは人に過
 ぎず、全能の神は天と地を作られた偉大なる建築家であり、十
 字架に架けられたりはしていない」と述べていたと証言した。
 この証言は多くの専門家を驚かせた。
     ――クリストファー・ナイト/ロバート・ロマス著/
     松田和也訳、『封印のイエス/「ヒラムの鍵」が解く
                  キリストのミステリー』
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 このように、テンプル騎士団はイエス・キリストの神性に関し
ては急進的な考え方を持っており、それがマクダラのマリアの話
にもつながってくるのです。しかし、彼らは徹頭徹尾、敬虔なる
カトリック教徒だったのです。彼らが有していた特別の知識や秘
密の儀式はキリスト教の信仰を補完するものだったのです。しか
し、彼らはそのように、身も心も捧げてきた教会と教皇に裏切ら
れたことになるのです。
 映画『ダヴィンチ・コード』には、興味深い場所がいくつも出
てきます。その1つは、秘密の謎を解くために、ラングドンとソ
フィーは英国に行き、最初に訪れれたテンプル教会です。
 法曹関係の施設が密集するフリート街から少し入ったところに
それはあります。これはテンプル騎士団によって1185年に献
堂された最初で最大の教会です。
 9人の騎士の彫像があるロンドンに唯一残る円形の教会であり
地下鉄のテンプル駅のすぐ近くなのに、都心の喧騒から隔絶され
た静寂さが漂う場所として知られています。
 それから、スコットランドの首都、エディンバラの南11キロ
にあるロスリン礼拝堂――実はこれこそ多くの学者が議論の対象
としている場所であり、「暗号の大聖堂」、「石のタペストリ」
「石の庭園」などと呼ばれるスコットランドの名所なのです。
 ここは、テンプル騎士団、薔薇十字団、聖杯伝説、フリーメー
ソンなどなど、そういう謎が一番詰まった場所であるともいうこ
とができます。このロスリン礼拝堂については、後で詳しく取り
上げることになります。
 さて、ダン・ブラウンの「ダヴインチ・コード」の種本になっ
ているのは、次の2つの本です。
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      マイケル・ベイジェント/リチャード・リー/
      ヘンリー・リンカーン著/林和彦訳/柏書房刊
 『レンヌ・ル・シャトーの謎/イエスの血脈と聖杯伝説』
 ――――――――――――――――――――――――――−−
     リン・ピクネット/クライブ・プリンス著/林和彦訳
 『マクダラとヨハネのミステリー/2つの顔を持ったイエス』
                         三交社刊
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 とくに『レンヌ・ル・シャトーの謎』は重要ですが、次のよう
な内容です。
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 マグダラのマリアは娼婦であり、罪深い女とされているが、実
 はそれはカトリック教会の陰謀なのだという。実は彼女はキリ
 ストと結婚していて、その子どもを宿し、フランスに逃れてき
 たというのである。そしてフランスのメロディンガ王朝は彼女
 の子孫の血脈であるという。その血脈はシオン修道院という。
 テンプル騎士団と密接につながっている秘密結社に受け継がれ
 た。聖杯というのも、その聖なる血のことだという。
  ――海野 弘著、『秘密結社の世界史』/平凡新書/315
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 映画に登場する謎の宗教史学者、リー・ティーピングは、『レ
ンヌ・ル・シャトーの謎』の著者、リーとベイジェントをもじっ
た綴り変えなのです。彼は物語のスフィンクスであり、謎に満ち
ていて、いわば物語のエンジンの働きをしている存在です。イア
ン・マッケランが演じています。   
            ・・・[秘密結社の謎を探る/19]


≪画像および関連情報≫
 ・悪魔には問題があるが、神にもついても疑問はある
  ―――――――――――――――――――――――――――
  カトリック教会は1885年、レンヌ・ル・シャトー管区に
  33歳の、ハンサムで、教養あるソニエールを任命した。ベ
  ランジェ・ソニエールは6世紀西ゴート族の聖地の上に建つ
  街の小さな教会を修繕し始めた。村の教会は1059年にマ
  グダラのマリアに献堂されたものであり、その改修中に彼は
  (推測ではあるが)秘密の羊皮紙を、祭壇に隠された西ゴー
  トの柱の中の穴から発見した。
              http://www.voynich.com/rennes/
  ―――――――――――――――――――――――――――
  ソニエール――この名前は、ルーヴル美術館長、ジャック・
  ソニエールとして使われています。

テンプル教会/リー・ティーピング.jpg


posted by 管理者 at 03:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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