2008年11月21日

●免除された石工/フリーメーソン(EJ第1840号)

 「秘密結社」という言葉の意味について、もう少し考えておく
必要があります。
 「秘密」とは何でしょうか。
 「秘密」とは、隠されたもの、覆われたもの、つまり、見えな
いもののことです。「見えない」には2つの意味があります。
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   1.「見えない」は不安であり、危険である
   2.「見えない」には真実が潜むことがある
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 第1の「見えない」は不安であり、危険である――われわれの
世界は見えることが中心になっています。見えることは事実なの
です。私たちは見える世界に住んでいるのです。
 ですから、「見えない」ことは不安であり、危険だと感ずるも
のです。「見えない」ものとしての「秘密」は、不安であり、危
険であり、怪しげなのです。秘密結社が怪しげな陰謀の巣窟とさ
れるのはそのためです。
 しかし、見えるものは、仮象や幻想に過ぎないという考え方も
一方にあります。第2の「見えない」には真実が潜むことがある
――これはそのことをいっているのです。この考え方は、秘密に
こそ本当のものがある――その隠れたものに達することが本当の
知識であり、智恵なのです。
 海野弘氏は、「視覚は二重化した知覚」であるとして、次のよ
うに述べています。
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 ここでは、視覚というのが二重化した知覚であるであることが
 わかる。見える側としての表、見えない個としての裏、見える
 外、見えない内、見える地上、見えない地下、上と下といった
 二分化が現われる時、「秘密」が成立し、「秘密結社」がつく
 られる。   ――海野弘の論文「すべてはつながっている/
                    秘密の世界ゲーム」
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 一般社会というパブリックな世界にあって、社会に何らかのゆ
みやひずみができると、そこにポケットのように秘密結社ができ
るわけです。秘密結社は、表、外、上の一般社会に何らかの問題
や葛藤があるときに生ずるのです。
 現代において秘密結社が話題となっているのも、この考え方に
よれば一般社会に何らかの問題が発生しているためであるとも考
えられるのです。
 「結社」についても考えておきたいと思います。「結」は「む
すぶ」という意味であり、「ゆう」とも呼びます。つまり、メン
バーを一つに結んでいる紐帯という意味になります。それでは、
何がメンバーを結びつけているのでしょうか。それが密儀や奥義
なのです。そういう共通の秘密があると結束が強くなるのです。
 中国の秘密結社は「○○会」と呼ばれるそうです。「三合会」
というようにです。「会」とは人の集まりのことですが、「蓋」
という意味もあるのです。たとえばつぼにぴったり合う蓋をする
――そうすると密閉された内部空間ができますが、それが秘密結
社になります。
 英語でこれに該当するのが「フード」なのです。フードとは頭
巾のことです。例えば、「ブラザー・フード/兄弟団」などとい
うのです。そういえば、フードをすっぽりかぶるクー・クラクス
・クラン(K.K.K)という有名な秘密結社があります。
 さて、内なる秘密結社と外を繋いでいるものについて、海野氏
は興味深い意見を述べています。
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 秘密結社を外から隔てるのが、壁ではなくて敷居であることに
 注目しなければならない。壁は物理的な境界であり、越えにく
 いが、敷居は、精神的な境界で越えようと思えば越えられる。
 しかし、他人の家の敷居を勝手に越えてはならない、と考えら
 れている。秘密結社において、内と外は絶縁されているわけで
 はなく、ある程度通れるようになっている。内と外をどのよう
 につないでいるのかが、それぞれの結社の違いとなっている。
                ――海野弘氏の前掲論文より
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 さて、そういう秘密結社の代表的な存在が「フリーメーソン」
です。おそらく「フリーメーソン」という名前を一度も聞いたこ
とがないという人はいないと思いますが、それが何を目的とする
結社なのかということになると、百論があって、さっぱり実体が
掴めないというのが実情です。
 フリーメーソン――このことについて書かれた本によると、フ
リーメーソンとフリーメーソンリーという言葉が使い分けられて
いますが、まず、この言葉の意味から明らかにしましょう。
 フリーメーソンというときは特定の個人を指すのですが、フリ
ーメーソンリーというときは、フリーメーソンの集団を意味して
いるのです。もっともフリーメーソンリーという言葉を一切使わ
ず、フリーメーソンで個人も集団を意味することもあります。
 さて、この「フリーメーソン」――フリーは「自由な」、メー
ソンは「石工」という意味です。直訳すると「自由な石工」とい
う意味になります。
 この場合、「フリー」は「自由な」という意味よりも、「デュ
ーティ・フリー」の「フリー」――すなわち「免除された」とい
う意味にとらえるべきです。つまり、「何らかの義務が免除され
ている石工」という意味です。
 ところで、なぜ「石工」が問題になるのでしょうか。日本では
石工というと、墓石造りを連想してしまいます。それにどのよう
な義務を免除されていたのでしょうか。
 それには、フリーメーソンの歴史をたどってみる必要があると
思います。しかし、フリーメーソンの歴史は一向にすっきりして
いないのです。極めて複雑怪奇な話になると思いますが、明日か
ら挑戦してみたいと思います。 [秘密結社の謎を探る/14]


≪画像および関連情報≫
 ・クー・クラックス・クランとは何か
  クー・クラックス・クランのメンバーは、フードを備えた白
  いローブを着用している。それは敵に報復するために死後の
  世界から戻った兵士の幽霊を表し、顔を隠している。白いロ
  ーブとフードのもう1つの意味は「匿名の功績」であり、メ
  ンバーは神によって使命が与えられたと信じ、謙遜の象徴と
  して白いローブとフードを着用する。また別の説は、中世の
  テンプル騎士団員を模倣した物だとする。オリジナルのクー
  ・クラックス・クランの指導者には「テンプル騎士団員」の
  位階を持ったスコットランド人の石工が多数いた。
  "Grand Wizard"、"Exalted Cyclops"、"Kleagle"と言った位
  階は、クー・クラックス・クラン内での地位を示すために使
  用されたのである。         ――ウィキペディア

フードをかぶるクー・クラクス・クラン.jpg


posted by 管理者 at 03:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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