2008年11月10日

●クリントン政権と財界保守本流(EJ第1831号)

 1992年11月、クリントンは米大統領選に勝利したのです
が、その政権には次の3つの特徴があったのです。
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 第1の特徴:中東政策に関しては、イスラエル支持一辺倒の親
       シオニスト外交であること
 第2の特徴:経済政策に関しては、一国繁栄主義で、管理貿易
       主義的的な色彩が強いこと
 第3の特徴:中国政策に関しては、PLOへの支持を表明して
       いる中国に反対を貫くこと
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 第1の特徴は、イスラエル支持の外交になるのは当然であった
のですが、それにしてもクリントンという人にはかなりのツキが
あったといえます。それは、1992年6月23日のイスラエル
の総選挙で和平推進派の左派(労働党)連合が、大差で勝利して
いたからです。
 というのは、クリントンは中東政策に関しては、ブッシュが拒
否を表明していたイスラエルの債務保証を確約し、占領地への入
植停止は援助の条件とはせず、和平会議の中で交渉の対象とする
など、シオニスト・ロビーの意向に沿って選挙戦に臨んでいたか
らです。もし、和平絶対拒否の右派連合のシャミル政権が勝って
いたら、クリントン政権はそれを支持せざるを得ず、大方の米国
民の強い反発を買っていたと思われるからです。やはり、大統領
になるほどの人は運が強いといえます。
 第2の特徴の経済政策において、クリントン大統領の経済ブレ
ーンとしてサポートしたのは、次の5人です。
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 1.ロバート・ライシュ  ・・ 労働長官
 2.ジェフリー・サックス ・・ 閣外ブレーン
 3.ローレンス・サマーズ ・・ 財務次官
 4.ロバート・ルービン ・・・ 国家経済安全保障会議議長
 5.ミッキー・カンター ・・・ 通商代表
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 ライシュ、サックス、サマーズの3人はいずれもハーバート大
学教授であり、ルービンはゴールドマン・サックス社会長、カン
ターは弁護士でロビイストですが、いずれもユダヤ/シオニスト
のリベラル派なのです。
 しかし、肝心の財務長官には、ロイド・ベンツェンが就任して
ています。ロイド・ベンツェンは民主党の大物議員ですが、民主
党内でも最も保守的なメンバーであり、シオニストの望む中東で
の戦火の拡大には一貫して反対の姿勢です。
 第3の特徴である中国政策に関しては、当初クリントン政権は
親中国のブッシュ政権に反対し、中国に対して厳しい姿勢を取っ
てきたのです。中国はPLOの支持を明確にしている国であり、
中国が工業化して安い労働力で米国に輸出攻勢をかけてくること
を警戒する勢力が民主党内には強かったからです。
 しかし、それは最初のうちだけであり、クリントン政権は、ま
るで日本に当てつけるかのように親中国にのめり込んで行くこと
になるのです。
 このように、クリントン政権は最初のうちこそこれら3つの特
徴を持っていたのですが、政権発足と同時にこれら3つの特徴は
ことごとく反転してしまうことになるのです。
 クリントンが大統領選を制すると同時に素早く動き出したのは
米財界保守本流のロックフェラー財閥です。彼らはかつてのカー
ター政権のときと同じ戦略で、民主党のクリントン政権を事実上
乗っ取ることを考えたのです。
 共和党のニクソン大統領がウォーターゲート事件で失脚した後
を受けて登場した民主党のジミー・カーターは、清貧なイメージ
で人権外交を標榜し、米国民の支持を得て、大統領を勝ち取った
のです。しかし、彼を政治的に支えたのは、ディヴィット・ロッ
クフェラーが率いる日米欧三極委員会という名のシンクタンク、
いや秘密結社だったのです。
 ディヴィット・ロックフェラーは、当時チェース・マンハッタ
ン銀行の頭取であり、ロックフェラー・グループの総帥だったの
です。彼は、1949年から70年の長きにわたり、東部エリー
トたちで構成するシンクタンク、外交関係評議会(CFR)の理
事を務め、世界の政財界に幅広いネットワークを持つ経済界のド
ンとして君臨していたのです。
 そして、ロックフェラーは、米国、西ヨーロッパと日本の財界
人や官僚や学者による諮問機関設立の必要性を痛感し、1973
年に日米欧三極委員会を立ち上げたのです。
 カーター政権は、この日米欧三極委員会が全面的に支えたこと
によって誕生したのです。カーターはこの秘密結社のメンバーに
なることによって、ビジネス界、マスコミ、国内外の政府高官を
含むエリートたちの多数と知り合い、世界中に知人や友人のいる
エリートになったのです。
 そのため、カーター政権には、日米欧三極委員会のメンバーが
多数入っているのです。したがって、予期に反してクリントンが
大統領に当選したとき、ロックフェラーはカーター政権のときと
同様に人材を政権に送り込み、事実上政権をハイジャックしてし
てしまえばよいと判断し、事実その通りに行ったのです。
 クリントン政権の国務長官、ウォーレン・クリストファーは、
かつてのカーター政権のとき、国務副長官として政権入りしてお
り、クリントン政権では国務長官として入閣しているのです。
 しかも、この国務省の中東和平推進チームは、ブッシュ政権の
ときと同じチームが担当することになり、シオニスト・ロビーと
しては「これでは何のためにクリントンを勝たせたのかわからな
い」と慨嘆したといわれています。それほど、米財界の保守本流
の勢力は強かったのです。
 要するに大統領はあくまで看板に過ぎず、そのバックの勢力が
国や世界を動かしているのです。
            ・・・[秘密結社の謎を探る/05]


≪画像および関連情報≫
 ・日米欧三極委員会とは何か
  日米欧三極委員会の目的は、北米、西欧、そして日本のエリ
  ート間のパートナーシップを強化し、西側資本主義の利益を
  守り、とりわけ新興国からの挑戦に対する資本主義社会の対
  応策を調整していこうというものである。これは、まさしく
  CFR(外交関係協議会)の国際版といえるものである。

ジミー・カーター元米大統領.jpg



posted by 管理者 at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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