2008年11月07日

●米民主党とはどういう党なのか(EJ第1830号)

 米国の政治において、イスラエルやシオニスト・ロビーを批判
することはタブーだったのです。シオニスト・ロビーとは、イス
ラエルを支持する圧力団体で、AIPAC(アメリカ/イスラエ
ル広報委員会)といい、イスラエルの政策を批判したり、パレス
チナ人への配慮を表明すると、メディアを中心に嵐のような批判
が巻き起こるのがつねだったからです。
 既に述べたように、米国のメディアの主力はシオニスト系であ
り、イスラエル批判を行った多くの議員――ほとんど共和党の議
員−−彼らは、マスコミによる批判の集中砲火を浴びて落選の憂
き目に遭ってきたのです。そして、あの父ブッシュも、その1人
だったのです。
 1991年9月、ブッシュ大統領は、イスラエルへの100億
ドル信用保証を米国政府が行うことを拒否したのです。イスラエ
ルが頑として和平に応じないからです。つまり、ブッシュ大統領
は反シオニストの立場を鮮明にしたわけです。
 危機感を抱いたシオニスト派は、何としてもブッシュ再選は阻
止しなければならないと考えたのです。そのとき民主党の大統領
候補の指名を確実にしていたのは、無名の大統領候補、ビル・ク
リントンであったのです。シオニスト派としては、不本意ではあ
るけれども、クリントンを担いで当選させるしかないと考えて、
ブッシュ大統領に対して、マスメディアによる一大ネガティブ・
キャンペーンを展開したのです。
 ところで、米国の民主党という政党は、どういう党なのでしょ
うか。ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ代表の藤井昇氏
は、米民主党について次のように述べています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 そもそも民主党とはどんな党なのか。
 極論しよう。民主党とはユダヤ人と黒人のための党である。ユ
 ダヤ系市民の約八割は民主党支持である。彼らは民主党政治家
 のブレーンの大部分を占め、同時に最大の資金源である。19
 92年の大統領選で、クリントンの個人献金の六割は、全米総
 人口の三%にも満たないユダヤ系市民からのものだった。
 ――藤井昇著、「巨大対立軸のなか、日本の進むべき道を探る
    /ロックフェラー対ロスチャイルド」より。徳間書店刊
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 1992年の大統領選において、マス・メディアがブッシュに
不利な報道をしたことは、「ワシントン・ポスト紙」のオンブズ
マン、ジョアン・バード女史の調査――選挙前の73日間の調査
によって明らかになっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   ≪対ブッシュ候補≫
     有利な記事 ・・・・・・・・・ 175本
     不利な記事 ・・・・・・・・・ 184本
   ≪対クリントン候補≫
     有利な記事 ・・・・・・・・・ 195本
     不利な記事 ・・・・・・・・・  52本
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 この数字を見ても、報道は明らかにブッシュ候補にとって不利
であり、クリントン候補に偏向していたのです。シオニスト・ロ
ビーが得意とするマス・メディア戦略です。
 全米におけるユダヤ系市民は約600万人です。取るに足らな
い数といえます。しかし、これらのユダヤ系市民は極めて優秀で
あり、マスコミ、学界、法曹界、小売業、金融業、芸能界などの
分野で圧倒的ともいうべき力を保持しているのです。
 政治的な重要なロビイストとしては次の3つのグループがある
のです。これも一種の秘密結社といえます。
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 1.アメリカ・イスラエル広報委員会 ・・ AIPAC
 2.安全保障ユダヤ研究所 ・・・・・・・ JINSA
 3.反中傷連盟 ・・・・・・・・・・・・ ADL
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 選挙となると、これらの団体は、一斉に民主党の候補をバック
アップし、政治資金を供給するのです。そして、ひとたび政権を
獲得すると、豊富な人材を閣内に送り込み政権を支えるのです。
 ここにひとつの疑問が出てきます。民主党には当時大統領選に
出馬するのにふさわしい候補者がいなかったのでしょうか。
 そんなことはないのです。クオモ・ニューヨーク州知事、ビル
・ブラッドレー上院議員、ロックフェラー上院議員など有名候補
がたくさんいたのです。しかし、誰一人として、このときの大統
領選には手を上げなかったのです。それはなぜでしょうか。
 それは、いくつもの点で民主党議員は、このときは出馬しにく
かったからです。
 何よりも当時ブッシュ大統領は湾岸戦争勝利の直後ということ
もあり、人気抜群の強力な候補であり、勝ち目はないと考えてい
たのです。それにブッシュ大統領は中東和平を推進しており、冷
戦後の世界秩序の確立に向けて、彼の幅広い外交手腕が社会から
求められている時期だったのです。
 したがって、強敵であるブッシュ候補と戦う民主党候補として
は、政治資金と選挙組織の両面でシオニスト勢力の全面支持を取
り付けないととても勝ち目はないのです。その結果できる政権は
シオニストの100%ひも付き政権になってしまうのです。これ
では外交は非常にやりにくくなります。
 こういうわけで、民主党の有力議員は出馬しないのが得策とし
て誰も手を上げなかったのです。そのため、結局民主党の候補は
クリントン、ケリー、ハーキン、ソンガスらの小物候補ばかりと
なってしまったのです。
 クリントン自身としては、当初今回の選挙はトライアル・ラン
と考えていたのです。しかし、選挙戦が進むにつれて、シオニス
ト派の全面的バックアップを受けて、クリントンは着実に基盤を
広げていくことになります。・・[秘密結社の謎を探る/04]


≪画像および関連情報≫
 ・AIPACについて/田中宇氏のメルマガより
  ―――――――――――――――――――――――――――
  AIPACは1950年代に設立された団体で、1970年
  代から入植運動と連動したリクード右派系の団体となった。
  AIPACが最初に大々的な政治運動を行ったのは1977
  年に米政府(カーター政権)がサウジアラビアに新型の戦闘
  機を売却したことに対し、ユダヤ系アメリカ人社会を代表す
  るかたちで抗議した時だった。ちょうどイスラエル政府がア
  メリカの仲介でエジプトとの和解に動いていたころである。
  イスラエル建国から1967年の第三次中東戦争でイスラエ
  ルがアラブ諸国に大勝するまでは、シオニスト左派が強く、
  67年の圧勝を契機に右派が強くなったものの、対抗して左
  派と国際社会はイスラエルとエジプトの和解を皮切りに事態
  を和平の方向に持っていこうとし、1978年のエジプトと
  の和解を成立させた。それをはねのけるため、右派はアメリ
  カから活動家集団を移住させ、占領地での入植運動を強化し
  その一方でアメリカでAIPACなどを使ったイスラエル右
  派への支持活動を活発化させた、と見ることができる。
  http://tanakanews.com/f0705israel.htm
  ―――――――――――――――――――――――――――

藤井昇氏の本.jpg


posted by 管理者 at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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