2008年11月04日

●現代は秘密結社のブームである(EJ第1827号)

 今日からのテーマは「秘密結社の謎を探る」です。これは20
06年5月1日から2006年7月21日までの56回にわたっ
て連載したものであることをお断りしておきます。
 少し長いですが、最後まで読んていただくと、『ダ・ヴィンチ
・コード』が一層興味深くなると思います。
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 本日から新しいテーマです。テーマは「秘密結社の謎を探る」
です。なぜいま「秘密結社」という一見古めかしいものを持ち出
したのか――それには次の2つの理由があります。
 第1の理由は、現代は異常に感ずるほど秘密結社に関心が集ま
っている時代であるということです。例を上げると、『ダ・ヴィ
ンチ・コード』があります。
 いま書店に行くと、特設のコーナーにダン・ブラウンの『ダ・
ヴィンチ・コード』が積み上げられています。それに数多くの謎
解き解説書も発売されています。売れ行きは好調のようです。ど
この書店でもそういう現象が起こっているのです。
 『ダ・ヴィンチ・コード』は単なる小説なのですが、その核と
なっているのは「シオン修道院」という秘密結社であり、秘密結
社小説といってよいのです。なお、『ダ・ヴィンチ・コード』は
5月20日に映画が封切られることになっています。
 秘密結社を取り上げる第2の理由は、複数のEJの読者からの
熱心な要望に応えるためです。もちろんEJでは、過去に秘密結
社を取り上げたことがあります。
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     1999.10.26/EJ0248号
     1999.11.09/EJ0257号
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 当時としては、10回という相当長い連載でしたが、反響は大
きかったのです。
 もともと秘密結社に関しては昔から多くの資料を集めており、
いつかは取り上げようと思っていたのですが、『ダ・ヴィンチ・
コード』で関心が高まっているいまが一番良いチャンスであると
判断したのです。最初の何回かはその予告編のようなものと考え
ていただきたいと思います。
 秘密結社について語るとき、「陰謀史観」というものを明らか
にする必要があります。今まで秘密結社の話は陰謀史観と一緒に
語られることが多かったからです。それでは、「陰謀史観」とは
一体何でしょうか。
 「陰謀」というのは、「密かに計画する、よくない企て」とい
う意味です。陰謀史観を簡単にいうと、世の中には「闇の勢力」
というものがあって、ありとあらゆる社会・経済・政治的事象を
密かに後ろで操っている――そういう考え方を明確な根拠もなく
一般的にいうことを陰謀史観と呼んでいるのです。
 例えば、最近いわれている次の主張があります。
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 2001年9月11日の世界貿易センタービルに対するテロは
 モサドの陰謀である。ユダヤ人は事前に避難して被害に遭って
 いない。                ――陰謀史観の例
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 これなどは典型的な陰謀史観といえます。そこに確たる証拠は
ないのです。国際政治、外交、安全保障などの領域で説明が付か
ない問題が出てくると、何でも「それはユダヤ人のせいである」
としてしまう考え方です。
 これに対して、陰謀史観をアタマから否定してしまう考え方が
あります。「陰謀など世界のどこにも存在しない」という考え方
がそうです。つまり、極端から極端――両極端の考え方であり、
不思議なことに中間が存在しないのです。
 陰謀史観に関するあるホームページに次の主張が掲載されてい
ます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 日本の真珠湾攻撃はルーズベルトの描いたストーリーにはまっ
 ただけのことであった。アメリカ国民に参戦を認めさせるため
 にあえて日本軍にハワイを攻撃させたのである。
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 これなどは、一見陰謀史観の典型のようにみえますが、公開さ
れた機密文書をひとつずつ歴史的に検証していくと、それが事実
である可能性が出てきています。ルーズベルトはハワイの将兵の
生命を犠牲にして、国内に参戦の機運を作り出した張本人である
可能性が高いのです。
 このように、極端と極端の議論ではなく、その中間的な考え方
もあってもよいのではないかと思われるのです。
 ハリー・G・ウェストとトッド・サンダースによる次の本が話
題になっています。
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 ハリー・G・ウェスト/トッド・サンダース編
 『トランスペアレンシーとコンスピラシー――ニュー・ワール
 ド・オーダーへの疑惑のエスノグラフィー』(2003)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 トランスペアレンシーというのは、「透明性」とか「公開性」
という意味です。現代社会は、このトランスペアレンシーが強く
求められているのです。具体的にいうと、政府や企業の情報公開
ということになります。
 ところが、透明化によって秘密のヴェールが剥がされればされ
るほど、逆にコンスピラシー(陰謀)の部分が大きくなってきて
いるというのです。
 冷戦の終りとベルリンの壁の崩壊に際して、時のブッシュ大統
領(父)は「ニュー・ワールド・オーダー(新世界秩序)」とい
うスローガンを掲げています。この頃からトランスペアレンシー
ということがいわれ出したのです。
 このブッシュ大統領のことば――ニュー・ワールド・オーダー
は、世界支配の大陰謀の代名詞のようになって、コンスピラシー
は横行するようになったと上記の本は訴えています。
 ブッシュ(親子)大統領は、いわゆる「ならずもの国家」に対
して透明性を求め、核兵器を隠しているとして、イラクを攻撃し
ています。米国も陰謀パラノイアにとりつかれてしまっているの
でしょうか。      ・・・[秘密結社の謎を探る/01]


≪画像および関連情報≫
 ・ユダヤ人陰謀論
  ユダヤ人が秘密結社を通じて手を結び、世界(ことに経済)
  に影響力を及ぼしているとするもの。昔から存在した陰謀論
  であり、日本ではユダヤ=フリーメイソンの陰謀が説かれる
  ことが多い。日本のユダヤ陰謀論を説いた本が海外で問題に
  されたこともあった。偽書とされる「シオンの議定書」(プ
  ロトコール)」が有名。アメリカ合衆国などには単なる一般
  庶民にも多数のユダヤ人がいるにもかかわらず世界的財閥、
  報道機関、ハリウッドにユダヤ系の人が多いと無理やり関連
  付ける論者がいるためこのような陰謀論となった。
                    ――ウィキペディア

ダ・ヴィンチ・コード.jpg


posted by 管理者 at 04:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎を探る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
東北関東大震災が地震テロではと言われてる今

このブログの復活が望まれてるんでは

ないでしょうか?

Posted by あつし at 2011年04月03日 21:53
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