ヴェリコフスキー理論について述べる前に、この理論が相当問
題のある理論であることをお断りしておく必要があります。要す
るに、ヴェリコフスキーの主張は従来の天文学の常識から考えて
とても受け入れ難い理論であるということです。
そのため、ヴェリコフスキーの理論は多くの学者から激しく攻
撃され、徹底的に批判されたのです。その批判者の中には、あの
カール・セーガンもいたのです。しかし、彼はヴェリコフスキー
の考え方をまともに受け止め、十分研究したうえで、根拠を明ら
かにして、反論したのです。
ヴェリコフスキーを批判する学者の中には、彼の考え方をロク
に研究もせず、批判した学者も非常に多かったのです。学者でな
くてもそういう人は多くいます。多くの人が批判するから、自分
も批判するというスタンスの人です。
そういう人に対して、カール・セーガンは次のように戒めてい
るのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
科学は自由な研究によって進歩してきたし、自由な研究のた
めに存在する。どんな奇妙な仮説でもその長所を考えて見よう
いうのが科学である。(中略)
ヴェリコフスキーの事件よくない点は、彼の仮説が間違って
いるのか、確立された事実に反しているというのではなく、科
学者と自称する人たちがヴェリコフスキーの研究を抑圧しよう
としたことだ。 ――カール・セーガン
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
カール・セーガンの偉いのは、どのような荒唐無稽な理論に対
してもまともに向き合ったということです。これらのことを前提
としてヴェリコフスキーの理論について説明します。
ヴェリコフスキーとはどのような人だったのでしょうか。
1895年ロシアに生まれ、英国に渡ってエディンバラで自然
科学を学び、ロシアに帰国後、法律・経済・歴史を学び、モスク
ワ大学、チャルコワ大学で医学を修めたのです。そのあとドイツ
に渡り、ベルリンで生物学を学び、雑誌「スクリプタ・ウニベル
シタティス」を創刊するのです。これは世界のユダヤ人学者をま
とめ、エルサレム大学創立のきっかけとなるのです。
その後パレスティナで医者を開業し、チューリッヒとウィーン
でフロイト派の精神分析学を研究しています。とてもエネルギッ
シュな学者であるという印象です。
ヴェリコフスキーの理論の特色は、天文学がベースではなく、
世界中の神話や伝説がベースであるという点です。その取り上げ
られている数は膨大であり、彼は世界中の神話に通じていたので
す。それにしても理論のベースになるものが神話とは・・・この
あたりにヴェリコフスキーの理論の問題点があるといえます。
その神話や伝説の研究において彼はあるひとつの発見をしたの
です。それは、古代中国やインド、それにバビロニアなどの古い
神話や伝説になればなるほど、金星の話が出てこないのです。そ
れでいて、どの神話にも金星に相当する神の誕生の話は劇的に描
かれている――そのことから、ヴェリコフスキーは約4000年
前には金星はなかったのではないかと考えたのです。金星に相当
する神の誕生とは、ギリシャ神話のアフロディティとパラス・ア
テナ、ローマ神話のヴィーナスの誕生です。
ここで、パラス・アテナの誕生についてふれておきます。ゼウ
スは、女神メーティスを飲み込んだところ、頭がとてつもなく痛
くなったのです。そこで鍛冶の神ヘファイストスに自分の頭を斧
で割って欲しいと頼むのです。この要請を受けてヘファイストス
は、斧でゼウスの額を割ったところ、真っ赤な傷口から武装した
パラス・アテナが飛び出してきたというのです。
このたわいもない神話からヴェリコフスキーは、驚くべきこと
を考えたのです。それは、ゼウスを木星、パラス・アテナは金星
と考えたのです。つまり、ゼウスの額からパラス・アテナが誕生
したというのは、木星から金星が飛び出し、彗星となったと解釈
したわけです。
ピテゴラス派という一派がありますが、アリストテレスは彼ら
について次のように書いています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ピタゴラス派と呼ばれる若干のイタリア人は、彗星は惑星の
一つであるが、長い期間を隔てて現れるものであり、地平線か
ら、わずかしか上がらないものだという。
――アリストテレス
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
水平線からわずかしか上がらない惑星とは、彗星だけではなく
金星にもそれは当てはまるのです。つまり、西暦前4世紀のピタ
ゴラス派の人々は、5つの惑星の1つは彗星であると考えていた
わけです。
木星から飛び出したとされる灼熱の巨大彗星「金星」は当分は
現在のような安定した公転軌道を描いてはいなかったのです。そ
れは多くの彗星がそうであるように、長楕円軌道をとっていたの
です。そのため、ほかの惑星の公転軌道と交差するようになった
とヴェリコフスキーは主張するのです。
さらにヴェリコフスキーは、金星が木星から誕生した時期を割
り出したのです。それは『旧約聖書』に記されている預言者モー
セがイスラエル人を率いてエジプトを脱出したときではないかと
考えているのです。
映画『十戒』で見られたあの「紅海割れ」――これは彗星であ
る金星の地球への超接近によって潮汐作用が激しくなり、地球の
海の干満の差が激しくなったためであるとしています。とくに紅
海の付近は一時的に未曾有の干潮となり、水位が極端に低下し、
海の水が左右に分かれたのです。
このように、ヴェリコフスキーはすべてを聖書や神話によって
立証しようとするのです。火星の海の水が失われたのもこれが原
因であるとヴェリコフスキーはいっているのです。
・・・[火星の研究/29]
≪画像および関連情報≫
・パラス・アテナ=金星説について
パラス・アテナ=金星説に関してはヴェリコフスキー自身は
まったく根拠を挙げていないわけではない。歴史家プルタル
コスの著作『モラリア』の一編「エジプト神イシスとオシリ
スの伝説について」には、「サイスにある女神アテナ、これ
を人々(エジプト人)はイシスだとも信じている」とある。
さらに『博物誌』で知られるプリニウスは、エジプトの女神
イシスは金星であると記している。
2008年08月15日
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/104763379
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.seesaa.jp/tb/104763379
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック




竹内文書にも色々あるようですが、竹内真鳥が残したものを原典として編集した本、3冊を読み終わったところです。
ちょうど、紅海に関する記述があり、葺不合朝69代の時天地大変動があり、それまでなかった紅海とアラビア砂漠が出現したと、ありました。
葺不合朝69代はBC1570〜BC1140頃とされており、出エジプトがBC1230あたりとのことでちょうど時期が合っています。
これから色々検証してみるつもりです。
こちらの情報も大変興味深いです^^