2008年08月06日

●マクダニエル教授はどう裁定したか(EJ第1543号)

 火星の人面岩とピラミッド――それがなぜ問題になるのかとい
うと、そのような人工物が本当に火星に存在するのであれば、火
星には知的生命体が存在したことの証明になるからです。
 マーク・カーロット博士――火星表面の構造物が人工的なもの
であるか否かの分析を行った学者ですが、分析の手法として「フ
ラクタル分析」という手法を採用したのです。
 フラクタルというのは、「フラクチュア」(破片)を語源とし
て命名されたもので、自己相似構造を持つ図形を意味します。こ
の理論を用いて分析すると、人工的に造られた物体と周囲の環境
を区別することが可能になるのです。フラクタル分析は1991
年の湾岸戦争でも、砂漠に隠された戦車を発見する手段としても
使われて、効果を発揮しているのです。
 カーロット博士は火星表面の構造物に対してフラクタル分析を
行った結果、少なくとも人面岩に関しては、自然の構造物とは考
えられず、人工物であるとの結論を出しています。
 五角形ピラミッド(D&Mピラミッド)については、地図学や
地形学が専門のエロル・トランが分析をしています。彼はシドニ
ア地区のD&Mピラミッドについて分析した結果、非常に重要な
事実を発見したのです。話が少し専門的になることを勘弁してい
ただくことにして、トランの説を紹介します。
 トランは、まず、五角形を成す岩が自然の作用でできる可能性
は低いと指摘しています。そのうえで、D&Mピラミッドが造り
出す角度について、五角形の内角度の数値が人面岩からピラミッ
ドを結んだ直線から得られる角度にも見られるといっています。
 さらに、D&Mピラミッドの位置――北緯40.868、西経
9.5度)は、きわめて慎重な計算のうえに選ばれたらしいと指
摘したのです。
 そして北緯40.868度という数値の正接関数(タンジェン
ト)の値はe(イー/自然対数の底)を円周率π(パイ)で割っ
た数値に等しいことを発見したのです。この数字はエジブトのピ
ラミッドやスフィンクスとも関連してくるのです。
 これほどの証拠が上がってくると、NASAもホーグランドの
批判をそのままにしておけなくなってきたのです。そこで、NA
SAは、この問題をカルフォルニア州ローランドにあるソノマ州
立大学のスタンレー・マクダニエル名誉教授に公式調査を委嘱し
たのです。
 NASAとしては、マクダニエル教授であればNASAに有利
な裁定をしてくれるであろうと期待して委嘱したと思うのです。
マクダニエル教授は、論理学、哲学、倫理学について30年以上
も教鞭を執るかたわら、コンピュータ関連のマニュアルも数多く
執筆している大物の学者なのです。
 マクダニエル教授は、約1年間にわたって調査を行い、その結
果を1993年に発表したのです。それが、「マクダニエル・レ
ポート」といわれるものです。
 EJで「マクダニエル・レポート」の詳細をお伝えすることは
適当でないでしょう。なぜなら、その内容は非常に難解なものに
なってしまうからです。マクダニエル教授は数学的・幾何学的に
アプローチしているからです。
 それでは、マクダニエル教授のこの問題に関する裁定結果はど
うだったのでしょうか。
 マクダニエル教授は、NASAの思惑とは逆の結論を出してい
るのです。つまり、NASAに非があったことを明らかにして、
ホーグランドの報告を非常に科学的であり、すべての調査が信頼
に値する各分野の専門家によってなされているとして、その内容
を高く評価したのです。
 この結論は、発表と同時に全米に大きな反響を巻き起こしたの
です。なぜなら、米国の国民が絶対的な信頼を寄せているNAS
Aがウソをついていたことが明らかになったからです。NASA
はその実態は確かに軍事機関ではありますが、あくまで表向きは
民主的機関を装っており、米国国民からは絶対的信頼を勝ち得て
いたからです。このレポートによって、その信頼の一角が崩れた
ことになります。
 それにしてもなぜNASAは、そのようなリスクを冒してまで
真相を隠そうとしたのでしょうか。
 これについてマクダニエル教授は、NASAの行動を縛ってい
るのは「ブルッキング・レポート」の存在であると言明している
のです。
 「ブルッキング・レポート」とは何でしょうか。
 これは、1958年、NASAの設立にあたって、ワシントン
D.Cにあるブルッキング研究所が、宇宙探査に関する指針を示
した文書を作成し、下院に提出したのです。これが「ブルッキン
グ・レポート」と呼ばれるものです。
 このレポートがなぜ問題なのでしょうか。それは、同レポート
の215ページの記述を見れば明らかです。このレポートの内容
は、平和利用のための宇宙探査と宇宙開発に関するものが中心な
のですが、216ページには地球外生命体について言及している
のです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  知性を持った地球外生命体との遭遇は、あと20年間は発生
 しないであろう。しかし、今後の月、火星および金星に関する
 宇宙探査の過程において、彼ら地球外生命体がかつて建造した
 構造物が発見されるかも知れない。
            ――「ブルッキング・レポート」より
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 この指摘は驚くべきものです。既に1958年において、「地
球外生命体がかつて建造した構造物」が発見される可能性を指摘
しているからです。おどろくべき予見といえます。
 これによると、NASAは最初から惑星上においてそういう構
造物が存在する可能性を予測し、そのための探査を行っているこ
とになります。         ・・・[火星の研究/22]


≪画像および関連情報≫
 ・「ブルッキング・レポート」には、次のようなことも書かれ
  ている。

   人類の歴史において、ある文明がまったく異なる高度な文
  明に出会ってしまったために、重大な危機に陥ってしまった
  例は枚挙にいとまがない。だから、地球外生命体と遭遇した
  場合、発生する影響を考慮したうえで、情報をいかに操作す
  るかが問題になる。
   地球外生命体の存在を公表した場合、最も危険な集団とし
  ては、用心深い人々および非科学的思考を持つ人々があげら
  れる。こういった集団が、いかなる情報に敏感に反応するか
  を考慮しなければならない。彼らにとっては、地球外生命体
  にせよ、それらが構築した構造物にせよ、脅威でしかありえ
  ないのだ。科学者や技術者にとっても、人類を万物の霊長と
  する概念を出発点としてしている限り、はるかに高度な、し
  かもまったく異質の文明に接することは危険でさえある。
            ――「ブルッキング・レポート」より

マクダニエル・レポート.jpg

posted by 管理者 at 03:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 火星の研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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